Challenge 2
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ホゾについて 111 2004.4.9記
次ぎに
また話を少し戻しまして、上の図は先に挙げた普通の三枚接ぎの
図ですが、ホゾの形状を先太の蟻形にして片側へは物理的に抜けないよ
うにしてしまいます。図でいけば組み上がりは二段目の左図のようになり
ますが、凸側はホゾ先を赤点線のように先太の蟻形にして、凹側は図の
ように蟻形に相応したテーパー上に凹形に加工します。
当然緑矢印の木口側から差し込んで組み上げますが、蟻形ですから青矢
印方向へは抜けません。
接合度は嵌め合い具合で決まりますが、蟻形即ち吸い付きですからうまく
調整してやれば水矢印方向に引き合いますので、強固に組み上がります。
ホゾに蟻形を付ける方法は当然もう一種類ありますが、組み上がりとして
は三段目の左図のようになります。こちらの凸側は先太ではなく白点線の
ようにホゾに蟻形を設け、凹側は図のように木口側から先広がりの相応
の凹形に加工します。
当然こちらの蟻の付け方では桃矢印方向から差し込んで組み上げますが、
灰矢印方向へは抜けません。
勿論こちらも接合度は嵌め合い具合で決まりますが、蟻形向きの違いから
こちらでは黄矢印方向に引き合います。
ここでは部材仕様(寸法)を限定せずに書いていますが、三枚接ぎを書い
ていますので、自然に角材の接合のような形になっていますが、板同士を
接ぐ場合にはホゾ幅を広げて組み接ぎのようにもできるわけです。
また図で見たとおり角材の三枚接ぎだとしますと、この接いだものを一点
差線のように横にいくつも並べていくことを考えますと、これは板同士をそ
れぞれの接ぎ仕様で接いだと捉えることができますので、あられ組みにな
ったり散らし組み接ぎ、飛ばし組み接ぎや蟻組みと呼ばれるような組み接
ぎに変化させることができます。
こうした接ぎについてはまた別項で書いていくかもしれませんが、いずれに
してもこうした木口同士を開放型で組み接ぐ接合では、普通の三枚接ぎが
全ての基本で、後はそれを色々変化させて、応用していくだけと捉えて良い
のではないかと思います。
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