Challenge 2
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ホゾについて 112 2004.4.11記
何度も書いていますので詳しく書きませんが、
こうした接ぎでは必要があ
れば内隅部分に
胴付を設けることもできますし、両面に木口が出ますの
で留めではないので両木口を隠すことは出来ませんが、包みにして片側
の木口を隠すことは出来ます。
これについては上左図の普通の三枚接ぎは「ホゾについて 118」で書い
ていますが、二段目の左図の蟻形では当たり前ですが、必然的に黄点線
のラインで包んでその分ホゾを短くして隠すことになります。要するにこれ
などは引き出しの前板と側板の接合に良く使われる包み蟻組み接ぎにな
りま
すが、一般的にどんな場合でも包みにすることで見栄え良くなりますが、
加工は相当手間がかかるようになってしまうのは、これも致し方のないとこ
ろです。
三段目の左図のような蟻の付け方ではその性質上、二段目の左図のよ
うな包み方では、凹側の加工が青矢印部分が狭くなりトリマである程度加
工できますが、これもなかなか大変です。勿論部材仕様(寸法)で随分加
工のしやすさが変わるのは当然です。
こちらの場合は桃矢印方向から差し込みますので、水点線のようにホゾを
台形にして、凹側も台形のホゾ穴として開放型ではなく、普通の通しホゾに
することもできます。板物でもこうしたホゾをいくつも並べて用いられますが、
蟻の性質上灰矢印方向に部材を押し付けてくれることはあるにせよ、どち
らかと言えば台形のホゾ先を見せることによる、意匠的な意味合いが大き
いのではないかと想像しますがどうでしょうか?
二段目の左図のような接ぎで包んだ場合の応用で、茶矢印方向から見た
図を下に載せますが、これは蟻形のホゾに切込みを入れて半分に割った
形にしたものです。要するに片蟻のホゾの直線部分を内側にして、二枚の
ホゾをシンメトリーに配した形ですが、箱物などで上に天板が乗るような場
合に縦框と上框の接合やそれに類するところで、良く用いられるのではな
いかと思いますが、蟻ですから横ブレにも強くなかなかの接合強度が得ら
れます。
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