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ホゾについて 93 2003.11.18記

罫書き線は設計値に対してどんなに正確に罫書いても絶対ではなく、ホゾ
はホゾ穴との相対的なものですから、加工はどんな場合でも色々な要素で
必ず誤差狂いが出てきますので、 どうしてもホゾの嵌め合いを確認する必
要があります。最終的にはホゾ穴と嵌め合いを確認しながらの作業になり
ますが、 ホゾ幅は前に書いていますように、あまりきついとホゾ穴部材の
縦割れなどにつ ながりますので、手で抜き差しできる自分なりの感覚を覚
えます。
この最後の嵌め合い調整は、サンダー(Challenge の「その他の道具につ
いて」を参照してください)を使ってもなかなか手早く削ることが出来ますし、
ホゾの平面修正にもなりますので結構便利かなと思います。

ホゾ幅が仕上がりましたら次にホゾの長さ側を加工していきますが、長さ方
向の罫書き線は木口にはありますが、今のホゾ幅加工で矢印の罫書き
線がなくなってしまいましたので、ここで改めて点線のようにケヒキで罫書
きます。
こうしたところは上図の初めのホゾの罫書きにおいて、矢印部分の罫書
きを一番最後にしておけば、ここで改めてケヒキの設定をすることなく、その
ままケヒキで罫書くことが出来ます。こうしたところは作業の流れを良く考え
て効率良く作業が進むように工夫してください。ただ場合によってはケヒキの
設定を変える必要が有る場合も出てきますから、ケヒキ自体はそれ程高価
な道具ではありませんので、出来れば複数本用意して設定寸法ごとに使い
分ければ作業効率が上がります。
今入れた罫書き線に従ってホゾの長さ方向を、矢印部分で縦挽きを入れ
ていきますと、三段目の図のようになります。後はホゾ幅と同様に罫書き線
を目安にノミで仕上げていきます。
ここでも当然罫書き線は絶対ではなく目安線になりますので、最終的にはホ
ゾ穴と嵌め合いを確認しながらの作業になります。ただこのホゾ長さ側はホ
ゾを利かせる側になりますので、通しホゾ ではホゾは最後に楔を打って利か
せますから、ホゾ穴に対してホゾはあ まりきつく仕上げることが出来ませんの
で、こちらも手で抜き差しできる程 度に仕上げます。
一方止めホゾではホゾを利かせて差し込みますので、当然ホゾ長さについて
はホゾ穴より大きく仕上げておくことになりますので、これをどのように確認す
るかになります。当然そのままではホゾ穴に入りませんし、強引に差し込む
のであれば入り面を取る必要が出てきますので、 加工においては寸法確認
のみになります。


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