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イス雑感 10 2003.1.31記
強度だけ考えれば背もたれスピンドルの
R をきつくして(小さいR)、白矢印
の寸法を稼ぎたいところですが、背当たり感や背板の切抜きによる歩留ま
りと機械的強度からその辺りのバランスが難しいところです。また両側の背
もたれ保持のスピンドルも強度を考えればなるべく傾けて、ピンク丸部分の
背もたれのスピンドルとの大きな角度の三角を作りたいところですが、邪魔
になってきますし、背板部分に差し込む角度が大きくなりますから、背板との
寸法的な難しさや、背のスピンドルとの角度の違いにより組み立てが難しく
なりますので、程よいバランスを考えていかなければなりません。勿論見た
目のバランスも大切ですから、こうしたことを全体的にうまくまとめ上げるの
はなかなか大変ですが、楽しいところでも有ります。
また背のスピンドルを少し扇形に広げるスタイルも有りますが、その場合は
脚と同じことになりますから、四方転びで考えて行きます。ただその場合は
スピンドル一本々の挿し込み仕様が変わって来ますから少し面倒ですが、
長さなどは製作しながら現合で採寸したほうが楽でしょう。
この場合は後方への一方向だけ倒していますので、左下の側面図から平
面的に考えていくことが出来ますので、スピンドルの長さ、角度共に原寸図
で採寸してしまえば良いことになり
ます。勿論座板、背板の仕様を合わせて
考えていかなければなりませんから、左上のような平面図と照らし合わせな
がら設計して行きます。
一番単純な場合について一通り説明してきましたが、位置関係や寸法関係
が分かれば、アームやロッカーを付けたり複雑になってきたりしても同じこと
の応用で対処できると思います。またここでは分かりやすくするために部材
の中心線で考えてきましたが、実際には部材の肉厚が有りますので丸ホゾ
の罫書きや部材の寸法出しは注意が必要です。
また丸棒は普通角材から削りだしますので、角材の段階でホゾ穴を加工して
から丸棒にするか、丸棒に加工してからホゾ穴加工するか自分なりの容易
な加工手順を考えておく必要が有ります。
例えば脚の加工手順は私の場合は木工旋盤は使いませんが、下ごしらえが
終わりましたら座に差し込む丸ホゾを横切り盤とノミ、サンダーで加工し、次
に貫を差し込むホゾ穴を罫書きボール盤でホゾ穴を空けます。次に横切り盤
で八角形に加工し手鉋で丸めて脚の出来上がりですが、これなども考えや道
具の違いで人それぞで加工方法や手順が随分変わってくると思います。
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