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イス雑感 2003.1.13記
椅子については色々書いて来ていますので、重複するところも出て来ると
思いますが、思いつくままに少し関連することを書いてみたいと思います。
椅子はオブジェや工芸美術品から実用一辺倒や不特定多数の方が座る
ものからマイチェアまで本当にさまざまなものが有ります。また椅子のカテ
ゴリーから見て行きましてもスツールからダイニングチェア、イージーチェ
ア、ロッキングチェアやベンチなどさまざまです。またウインザーチェアや
シェーカーチェアのように様式別で見ていく場合も有ります。
これもよく言われることですが、ただ腰を降ろすだけであれば切り株でも
立派なスツールに成りますし、後ろにもたれる壁でもあれば椅子状態に
なってしまいますから面白いものです。
また価格だけから椅子を見て行きましても、上下とんでもない価格のもの
は別しても
一脚数千円から数十万円まで、たかが座るだけの椅子ですが、
これまたさまざまです。
ただ座り心地だけを見たときに、曖昧で感覚的なことは人それぞれですか
ら絶対評価は出来ませんが、人により数十万円の椅子よりも数千円の椅
子が快適に感じることもあるでしょう。勿論他にも素材、構造、作り、耐久
性や造形美などさまざまな複合(総合)要素で椅子としての価格、価値に
なりますし、使い込んで始めてその良さが分かるものだと思いますが、椅
子を作る立場の者としては、椅子のこうした座り心地に対しては考えさせら
れることで
す。
この座り心地ということも実際には単純に比較出来ない、なかなか奥の深
い難しい問題ではありますが、ここで椅子の座面の当たりだけを考えてみ
ますと、座面を木で作った場合に木は堅いですから少しでも当たりを柔ら
かくしようと思えば、お尻の形に掘り込んだりすることになりますが、どんな
にうまく掘り込んでも木ですから、ペーパーコードや綿ロープで編んだ座面
の当たりには適いません。またペーパーコードや綿ロープで編んだ座面も、
ウレタンやスポンジを張った座面の当には適いません。
適材適所が有りますし
座面の当たり(柔らかさ)だけで座り心地が決まるわ
けではありませんが、
椅子を作る上においてはこれも考えさせられるひとつ
の大切な要素あると
は思います。
ただこうしたことも考え方や原点が違えば、また違った見方になってくると思
いますから面白いところです。
椅子が世に何万種類あるか分かりませんが、
素材的にも他の物を色々利用することも出来ますし、これほどバラエティー
に富んだ家具もな
いでしょう。作る立場から見ても、様々な選択肢が有りま
すし、使う側から
見てもそんな椅子の中からにどんな価値を見出して椅子を
選ぶのか、あまりの種類の多さに困ってしまうほど楽しい家具です。
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