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加工について(絶対、相対) 2 2003.1.9記
例えば下の写真のような本棚において、棚板などの加工においては一
番大切なことは、それぞれの棚板の長さを全てピッタリにそろえること
に成ります。長さ自体は設計値に対して多少の誤差があっても組み立
てに不都合は出ませんが、長さが不ぞろいではうまく綺麗に組むことが
出来なくなってしまいます。
また留めで作った額縁などで考えて見ても良く分かると思いますが、留
め部分をピッタリ仕上げることが重要になります。そのためには向かい
合う各部材同士をピッタリ同じ長さに仕上げる事が一番大切です。
各部材の長さがピッタリであれば長さ自体は設計値(基準)と多少誤差
があっても不都合なく綺麗に組みあがることになります。
後一つ扉への丁番取り付けを考えて見ますと、当たり前ですが扉を開
閉するために丁番を取り付けるわけですから、一番大切なことは複数
の丁番の支点軸が一直線上になるように丁番を取り付けることです。
ここがずれていてはスムーズな開閉が出来なくなってしまいます。軸が
出ていれば丁番間の寸法や前後方向への狂いが出ていても開閉はス
ムーズに出来ますし、扉自体の本体への取り付けが多少傾いていても、
見栄えは悪くなりますが開閉自体はスムーズに行くはずです。
すなわち丁番同士の相対関係が一番大切になります。見方を変えれば
丁番同士の位置関係が絶対になります。
逆にこうしたことも原点(絶対)をしっかり捉えていれば、各棚板の長さ
や額縁の向かい合う各部材同士を揃えるには、どんな手順でどんな加
工方法で進めれば良いか、丁番の支点軸が一直線上になるように丁番
を取り付けるにはと、自分の道具、工具、材料、技術などから自分なり
の考え方や、やり方が自然に出てくることになります。
こうしたことは形としてこうでなければならないの決まりはありませんから、
あくまで相対ですから自分がどんな捉え方をするかが問題になります。
言葉を変えればどう捉えれば理に適っているか、理が多いかになるでし
ょう。そうすると当然この理をどう捉えているかになってしまいますが、
簡単に言ってしまえば不都合が出ないようにになります。ただこの不都
合も何をもって不都合とするかは人それぞれです。また理についても奥
の深い話ですから、思いを馳せれば全宇宙まで行ってしまうでしょ
うが、
これもどこまで追求するかはまた人それぞれです。
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