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その他のホゾ、構造について 30 2002.9.9記

 チェストの取手(ノブ)について少し書いていきますが、これも本当にさま
ざまな形、方法があります。これ一つでチェストの表情、雰囲気がかなり
変わりますので、自分に合ったオリジナルな取手を考えて取り付けると良
いでしょう。チェストに限らずその取手を使う様にすれば、自分独自の家
具の雰囲気が出るようになりますし、作る家具に統一感が出てきます。
もちろん、今は市販の取手もさまざまな素晴らしい物が有りますので自分
の感性に合った物を探すのも良いでしょう。

   

取手は引き出しの面より飛び出した物と、なるべく出ない様にした物とで
考えていきますと、図の様に天板の左右とひさしを出した作りでは、立体
感が有りますので、引き出し面がフラットでは何かノッペリした雰囲気にな
り、天板部分とのバランスが悪く感じますので、どちらかと言えばですが、
引き出しの前板面より飛び出した物が合うように思います。
これは本体が框組みの場合には、全体の雰囲気がメカニカルになります
ので、さらにその傾向にあるでしょう。

写真の取手(ノブ)はノミで彫り出した物ですが、自分で考えた形を彫り出
す作業もなかなか楽しいものになるでしょう。この作り方を例として書いて
おきますので、参考にしてオリジナルな取手(ノブ)に挑戦してみてください。
写真の取手は三種類の形状で、右二つは大きさが異なるだけです。どれ
も工程としては同じですので、一応ここでは右二つの形状の物を作る事と
して書いていきます。

一つの家具に使う取手は雰囲気を合わせるために一本の木から取る様に
しますが、さらに二つの取手をワンセットとして作っていきます。これは取手
を取り付けるホゾを加工する場合には、部材が小さいと加工しづらい事と
機械加工出来ない可能性が有りますし、出来たとしても危険ですから図の
様に部材を少し長くして、その両側に取り付けのホゾを加工していきます。
後は二つに切り分けてノミで彫っていきますが、取手は左右でワンセットで
使う事が多いので、こうする事で綺麗な年輪のブックマッチの取手が出来
上がります。
ここでは昇降盤等での加工として書いていきます。
まず、両木口にテンプレート等を使いホゾのスミ入れをしていきますが、こ
のホゾは写真の四角タイプの取手では向きが有りますので、角ホゾにして
おけば引き出しに対して自然に位置が決まりますが、逆に向きを自在に変
える事が出来ませんので、木取りの段階で見栄えを考慮して年輪の向きを
良く考えておく事になります。
また、丸タイプの取手では一手間かかりますが丸ホゾにしておけば取り付
け時に調整出来ますので、年輪の向きを考慮する必要はありません。どち
らも年輪の向きは水平に取り付けるのが良いでしょう。

次に、取っ手のくびれた部分を加工するために 、図の四角の様に、切込
みを四面に入れていきます。次はホゾ元のベース部分を少し細くするため
に、 図の矢印の様に縦に四面切り落としますと、その下の図の様になり
ます。
次に、矢印の切り込み部分の四隅を丸に近づけるため、矢印の様に胴
付きノコで切込みを入れておきます。
次に、丸タイプの場合はホゾをノミで丸めていき、最後はホゾ穴に現合確認
しながらサンダーを使い横ずりで仕上げ、ホゾ先の入り面を取っておきます。
次に、ホゾ元のベース部分のスミ入れをテンプレート等を使い図の丸線の
様に入れ、ノミで丸めていきますと、その下の図の様になります。
次に、ツマミ部分のスミ入れをテンプレート等を使い図の丸線の様に入れ、
ここは小カンナで丸めていきます。
最後に矢印の様に切り分けて機械加工の終了です。この時に念のため両
木口に番号でも入れておくと良いでしょう。

「その他のホゾ、構造について 31」で続きを書いていきます。


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