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その他のホゾ、構造について 29 2002.9.4記
この時の紫矢印のホゾ長さについては、側板は通しホゾでクサビを打
ちますので、包み打付け接ぎの様にピッタリではまずいので、前板の木
取りの段階では左右合計2〜3ミリ程度長めにしておき、この寸法を側板
からの飛び出し寸法とします。このホゾ先は通常はノミ等で入り面を取り
ますがこの場合は飛び出しが小さいのでサンドペーパーか木工ヤスリな
どで一擦りしておきます。
後は前板のホゾ加工が終了した時点で、引き出し口に現合確認しながら
緑矢印の包み部分のみを切り取ります。この部分は切り取らなくても組
み立てる事も出来ますが、はたがね等で締める事を考えれば切り
取って
おいた方が良いでしょう。
加工については、まず初めに側板のホゾ穴を角ノミで空けていきます。
次に図の茶矢印部分は昇降盤のノコ刃が入りますが、青矢印の部分に
ついてはルーターやトリマか角ノミ、ノミ等自分に適した方法で落として行
きます。胴付面やホゾの最終調整は側板と現合確認しながらノミで慎重
に仕上げていきます。
また、昇降盤が無い場合でもルータースタンドが有れば殆どの加工は、こ
れ一つで出来るでしょう。
組み立てに際しては、包み打付け接ぎではビス止めしますので、ビス止め
がはたがねで締める事になりますので、片側づつ接着剤を塗布して組み
付けて行きましたが、この包みホゾ組接ぎの場合には、前後左右をはた
がねで締めてからクサビを打つ必要がありますので、左右の前板の切り
欠き部分と側板のホゾ穴に接着剤を塗布して組み付け、はみ出した接着
剤を拭き取ります。
次にホゾにクサビを打ち込む案内溝をノミで付けます。
次に白矢印の様に前後左右をはたがねで適宜当て木をして接合面が密
着するように締め付けます。後はもう一度はみ出した接着剤を拭き取りク
サビを打ち込みますが、このホゾは木口に近いので、黄丸部分が割れる
可能性が有りますので、はたがねで締めてはいますが、多少加減して注
意深く打ち込んでください。
これで2〜3時間以上接着剤の乾燥を待ちます。引き出しのその他の事に
ついては、「引き出し作り 1」「引き出し作り 2」に書いてありますので、そ
ちらを参照してください。
包みホゾ組接ぎでは作業性を考えれば、側板のホゾ穴は角ノミで空けた
い所なので、引き出しの仕様から考えればなるべく細い角ノミが必要にな
りますので、「ホゾについて 2」で書きました様に、角ノミの5ミリ、6ミリはメ
ーカーや専門店で購入できると思いますので、是非揃えておく事をお勧め
します。
これで小さい引き出しから大きい引き出しまで幅広く対応出来るようになり
ます。
この組み接ぎは、包み蟻組み接ぎに比べれば手加工の部分も少ないです
し、角度も付きませんので加工しやすいでしょう。意匠的な意味では蟻組
みに少し劣るかもしれませんが、接合強度も十分有りますので、ホゾの寸
法や数を変えたり、意匠的にホゾの配置を変えたりも出来ますので一度試
してみてください。
「その他のホゾ、構造について 30」で続きを書いていきます。
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