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イスについて 20 2002.2.12記

(A) 座 3oペーパーコード編  
(B)  
(C)  
(D) ペーパーコードの座  

 写真の様なペーパーコードで編んだイスについて書いていきます。
ペーパーコードで編んだイスは北欧のイスなどで良く見かけると思います
が、このタイプのイスはなかなか歴史のあるものだそうです。
外観的にも畳に通じる所があり、わりと日本人の感性にも合っているの
ではないかと思います。
この編み方はなかなか面白い編み方ですが、綿ロープを使ったイスで書
きました「カナコ」を綿ロープで編んだ場合に比べるとかなり早く編む事が
出来ます。同じ大きさの面でしたらおおよそ1/3程度の時間で編む事が出
来ます。

一番の欠点は編み方の技術やイスの使い方にもよりますが、どうしても面
が緩んでペーパーコードの間がすいて来ますから見た目が悪くなりますの
で、いかに始めの状態を長く維持できるように編むかということが、一番大
切ではないかと考えています。また、そこが一番難しいところです。
もちろん綺麗に編むことも大切ですが、少しでも始めの状態を長く維持で
きるように編んで、結果として綺麗に編めてしまうという事が本筋だと思い
ます。
「カナコ」で編んだイスでも面は緩んできますが、見た目の変化は少ない傾
向に有りますので、この辺りは編み方の性質上どうしようもない事ですから
考え方や好みの問題になります。
また、綿もペーパーコードもわりと重いので、ロープ巻きは空間が多いので
まあまあ軽いイスになりますが、編んだイスではイメージよりは重い感じの
イスになります。
写真(A) 3.2Kg  (B) 3.7Kg  (C) 3.8Kg になりますが、これはベニマツが軽い
事からわりと軽く出来ていると思います。
巻き方が下手な事もありますが、綿ロープでこの編み方をしますとロープ間
がすいてきやすく、なぜか目立ちますので、どうもこの編み方には不向きで
はないかと思います。棉ロープはテンションで太さが大きく変わりますので、
これが一番の原因だと思いますが、この編み方は堅くてつぶれにくく、テン
ションで太さが変わりにくいロープが向いているようです。その意味でペー
 パーコードはピッタリで、編み方にしてもペーパーコードにしてもまたその
組み合わせにしても、誰が考えたか知りませんが、先人の知恵はたいした
ものです。本当に感心してしまいます。

イスのフレームとしては今書きました様にペーパーコードは硬いので、あま
り鋭角に曲げると折れ気味になり綺麗に編めませんし、収まりも悪くなりま
すので巻き枠の面は大きめなRを付けるか、丸棒にする必要が有ります。
この辺りの事は「ホゾについて 9」に書いて有りますのでそちらを参照して
ください。
巻き枠にRの面を付ける事や編み上がりを見ると、この編み座は丸棒で作
るイスが全体の収まりが良いように感じます。ただベニマツは何度も書いて
いるように、強度が広葉樹などに比べるとかなり弱いので、ベニマツだけで
は無理が有りますので、角の部材で上手くまとめるのが無難だと思いますが、
発想としては逆に角の部材を使うこ事を上手く利用して座り心地の向上を図
ることを考えていくのが良いでしょう。ただ、編み枠だけ堅木にするなどの工
夫をすればなんとかなるでしょう。
写真(B)(C)を見比べていただくと判ると思いますが、(B)は前後の巻き枠がス
トレートですが(C)は少しRを付けて有ります。このRを付ける事でフレーム作
りは手間が増えますし座も編みにくくなりますが、当たりはソフトになりそれな
りの効果は有ります。
普通このタイプの編み座はストレートの編み枠が多いと思いますが、理由は
判りませんが、特に丸棒タイプではRを付けるには強度的に無理があるから
ではないかと想像しています。もちろんコストダウンの事もあるでしょう。

「イスについて 21」で続きを書いていきます。


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