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イスについて 15 2002.1.21記

(A) (B) 面ロープの座 (C)
(D)イージーロッカー 座背 4o綿ロープ編包み
 
 

 座面の後ろを少し絞った場合について書いていきます。
基本的には四角を編む方法ですから、矢印部分は縦ロープを巻く事が
出来ませんから編めませんので、側枠に縦巻きを簡易に留めて化粧編み
する事になります。 実際にはこの部分の寸法を考えると、縦巻きは1、2本
程度だと思いますので、編まなくても座としては支障ありませんし、それも
一つのスタイルと見ても良いと思いますので、後は好みの問題ということで
編む場合の方法を書 いておきます。
判りにくいですが写真(C)(D)は少し後ろが絞って有りますが、絞る寸法が
小さいのでどちらも化粧編みはしていませんので、矢印部分は捨て巻き
にして有ります。

イスの後ろを絞る寸法(矢印)はなるべく編むロープ径の倍数にしておけ
ば収まり良く編む事が出来ます。普通のイスであればこの寸法は40ミリを
超える事は無いと思いますので問題ありませんが、あまり大きく設計します
と側枠の勾配がきつくなり、横ロープが滑りやすくなりますので蜜に編みに
くくなりますし、イスを使っているうちに側枠のロープがずれて来る可能性が
有ります。
左図は側枠の断面ですが、図の様に縦巻きを留めた時にロープが側枠上
面よりあまり出ない様に、強度を考えながら最小限にテーパーカットしておく
と良いでしょう。
ベニマツは強度が弱いのでイスの後ろを絞る場合は、上図の様なストレート
の側枠でテーパーカットや後で書きます縦巻きを通す穴などを加工しますと
強度に不安が有りますので、強度確保とホゾに角度が付いていますので楽
に加工できる様にします。
下図の様に、絞る寸法(矢印)をプラスした部材に勝手違いのホゾを付け
れば、角度の無い普通の部材として加工できます。後は点線の様にカット
します。この時に矢印のカットはRを付けると優しい感じのイスになります。
最後に点線の様なラインでテーパーカットします。この時矢印にRが付
けてあればテーパーカットにも同じ様にRを付けます。この時のテーパーカッ
トはイスに座った時に支障が無い様にしないといけませんので、イスの仕様
にもよりますが20〜30度の角度が必要になります。
この方法はペーパーコードを編む椅子などにも強度確保のためには必要に
なります。
この辺りのホゾについては「ホゾについて 3」にも書いて有りますので参照し
てください。

まず、側枠に縦ロープを留める位置をマーク(丸)しておきます。また、前枠には後枠の位置をマークしておくと巻
く時に 助かり ます。
巻き始めは同じ様に図丸部分のフ レーム内側コーナーの見えない所に小釘(小鋲)で留めます。留める向きは
必ず下へ出して前、上と巻いて行く向きにします。まず二回捨て巻きし、次に縦ロープをマーク(丸)しておいた所
に小釘 で止め、ここでUターンさせまた同じ所に小釘で止めて前枠に戻ります。ここからは巻く向きが逆になり、また
二回 捨て巻きします。図では説明の都合上一本で書いてありますが、これが2本、3本と増えていく場合には、その
都度 捨て巻き部分の前枠内側で小釘で止めて巻く向きを反転させてください。
これで化粧編み部分の片側は終わりですが、反対側は対称になり巻く向きが逆になりますので、続けて巻いていく
場合にはどちらかで反転させます。また、ロープの端切れが有れば左右の化粧編み部分はこれで巻いて完結させ、
後は普通に巻いていくのもロープが無駄なく使えて良いでしょう。
後の作業は全て同じです。

この方法は上側だけ縦巻きを釘で簡単に留めただけですが、少ししっかりさせるのであれば、縦ロープを留める位
置をマークした所にロープを通す穴を開け、後は穴を通して普通に巻いていけばしっかりした物に仕上がります。
どちらの方法でも構いませんので、好みや考えに合った方法で巻いてください。

「イスについて 16」で続きを書いていきます。


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