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イスについて 10 2002.1.4記
また別のロープ巻きの背と座の編み方を例を挙げて書いていきます。
写真(A)のイスはロープ巻きの背に座はロープを編んだものです。
写真(B)
の座の拡大写真からも分かると思いますが、これは座の縦ロープを2-2-2
で巻いていて、背座共有枠で巻いていますので背も当然2-2-2になった物
で、巻き方は前に書きましたロープ巻きと同じで、各作業を二回づつにする
だけです。
逆に見れば、前に書きました背座ロープ巻きのイスもこの、2-2-2で巻く事
も出来ますので、雰囲気の違うイスにする事が出来ます。
座のロープ編は一番良く使われる単純な編み方だと思いますが、縦横で編
みますので、ロープ巻きの座に比べるとかなりしっかりした座になります。棉
ロープには適した編み方だと思います。また、ペーパーコードでもこの編み
方のイスを見かけることが有ると思います。
基本的にこの編み方は機織と同じですから、四角の座面を編む方法ですが、
イスの場合は座の後ろを絞ったり、Rを付けたりする事が多いので、なかな
か単純に四角の座面を編む事の方が少ないので、少し工夫
して編む必要
が有ります。
編むロープの太さとしては、3〜5ミリになります。3ミリは少し弱いので子供
用のイスなどの座面の小さいイス向きです。4ミリを標準と考えて良いと思い
ますが、イージーチェアなどの面が広いイスになりますと、たわみが大きくな
りますので、場合によっては5ミリを使います。ただ編むことでロープは堅くな
りしっかりして来ますが、5ミリでは視覚的に少しゴツゴツした感じが出てきま
すので、綿ですから痛いわけではありませんし、快適に座ることは出来ます
が、これが限界と考えて良いと思います。
ちなみに、写真(A)のイスは5ミリの綿ロープ、写真(C)(D)のイスは4ミリの綿
ロープで編んで有ります。
ただし、ベンチなどの大きくて長いイスをこのロープ巻きで作るのであれば、
視覚的なバランスも6ミリで合いますし、強度も出せますので、敷物を前提に
使用可能です。
このロープ編みを使う場面としては、小イス等では四面フラットでも木の座に
比べれば弾力があり快適ですが、前後の座枠にRを付ければ更に快適にな
ります。写真(A)(C)の座は前後の座枠にRを付けたものです。
写真(C)は背座別々に編んだものですが、背を編む場合は裏面の見栄えを
考えて、表裏共に編んでくるんだ形にしますので少し手間がかかります。
写真(D)のイージーロッカーは背座共有枠にして背座が連続するように編ん
だもので、更に背座共に横枠にもRを付けて、少しでも理想的な三次元曲面
に近づける形にした物で、編む時には治具が必要になりますし、背座共有枠
両面にRが付きますので、この部分の目数が足りませんので埋めていかなけ
ればなりませんので、かなり手間もかかります。
前にも書きましたが写真のイスで約20時間程
度かかります。
このロープ編みもロープ巻き同様に、かなりテンションをかけて巻きますので、
フレームの設計に際しては、ホゾや部材の強度を十分確保しておく必要が有
ります。また、この横巻きは写真(C)の座部は前後の脚の間に納まりますが、
写真(C)の背や写真(D)の背座などは、両端の押さえがありませんので、ロー
プのズレや見栄えなどを考えて、欠き取り等の加工をする必要が有ります。
「イスについて 11」で続きを書いていきます。
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