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イスについて 9 2002.1.2記

   

 また別のロープ巻きの背を例を挙げて書いていきます。
写真のイスはロープ巻きの下側を寄せてただ単純にグルグル巻くだけの
物です。見かけは軟で背もたれが頼りなく感じると思いますが、これも見
かけよりはなかなか快適な背もたれです。今まで書いてきたロープ巻きの
背は、どちらかと言えば背の角度は大きく、ロープで背を受けるように背
の高めなイスに向いていますが、これはロープ巻きの面積が狭いので、
背自体は主に背板で受けて、ロープ巻きは補助的な背もたれになります
ので、背の倒れたイージーチェア等には不向きですが、背の対地角度が
おおよそ20度までの、わりと背の立ち気味のイスであれば面白いイスが
出来ると思います。
またこのロープ巻きの背は、木の座、ロープ巻き、ロープ編の座、テープ
の座など幅広く対応出来ますので色々なイスで試して見てください。

設計に際して 、この巻き方では丸部分の背当たりロープに横向きに角
度が付き折れ曲がりますので、大きくテンションをかけて巻く時や背当たり
に体重をかけた時にロープがセンター集まる力がかかりますので、この部
分のロープ間がすいてくる可能性が有りますので、このロープの角度をど
の程度まで付ける事が出来るか試しておく必要が有ります。
経験から5度程度以下にしておくのが無難だと思いますが、さまざまな要素
で変わる可能性が有りますので、 一度試し巻きして自分なりの数値を見つ
ける事をお勧めします。
このロープの径は当然太目の方がこの部分が上手く決まりますので、5ミリ
以上の径が良いでしょう。
また矢印の寸法は上に書いた、背自体は主に背板で受けて、ロー プ巻
きは補助的な背もたれになる様な寸法に決めていきます。
また、背自体の角度としては「イスについて」で前に書いて有ります、ロープ
巻きのイスとして考えておけば良いでしょう。
矢印と矢印の寸法比は巻き方の性質上、ほぼ1:2になりますので、こ
れらの事から原寸図を描いて矢印の背座共有枠に空けるロープを通す
穴の寸法を決めます。
後は点線の様にロープと背板を平行にする等、他のロープまきと同様で
すが、ここでは特に矢印部分が浮きやすいのでほんの少し角度をつける
等の工夫が必要になる可能性も有ります。

写真のイスの巻き始め巻き終わりの端末処理は、後脚に穴を開けて外に
出し結んで留めて有ります。この時にロープを背座共有枠に回す矢印部
分の位置を背板にマークしておきます。
まず背板に点線の様に背座共有枠に回す部分までは、グルグル巻き付
けて行きますが、このタイプのロープ巻きでは当然可能な限り詰めて巻く事
を心がけて下さい。
次に矢印の様に、背座共有枠のロープ巻きの穴に点線の様に通し、折
り返して矢印の様に背板に戻し点線の様に一回巻き付けます。次はま
矢印の様に紺矢印部分の穴が詰まるまでま巻いて行きます。あとは初
めの部分と同様に、グルグル巻き付けて端末処理をしてロープ巻きの終了
です。

「イスについて 10」でもう少しロープ巻きについて書いていきます。


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