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その他のホゾ、構造について 2  2001.11.16記

 相欠き接ぎは図の様にそれぞれの部材を半分ずつ欠き取り組んだ物で、
加工、組み方ともに非常にシンプルな接ぎ方で、組みあがりは矢印のよ
うになります。技術が未熟なこともあるのですが、実際に組んで見るとこれ
がなかなか難しく、普通のホゾ組みよりも難しいように感じます。細い部材
は何とかなるのですが、テーブルの脚などの大きな物になるとなかなか上
手行きません。
この手の組み方は、細い部材はたわんで組めてしまいますし、膨張、収縮
の関係から、細い部材ほど厚さと切り欠きのはめ合いは緩く、太くなるに従
ってきつめにして行く必要が有ります。またテーブルなどの太い物は、念に
は念を入れて下から木ネジで締めておくのも有効です。

写真に有りますテーブルの脚のクロスしている所は、外観上は相欠き接ぎ
と変わりませんが、違う構造になっています。
この脚の構造は色々試してみたのですが、相欠き接ぎはそれぞれ両方の
部材の厚さと切り欠きのはめ合いが微妙であり、逆にそれがどちらの向き
にも同じ強度を持つことになりますし、組み立ての難しさにつながりますの
で、均等では無く、片側が強く、片側が弱くなりますが一方だけの部材の厚
さと切り欠きのはめ合いの調整だけで組めるようにした物です。

構造は「欠き込み三枚組み接ぎ」とまったく同じ形で、片方の部材の向きが
縦横変わっただけの構造です。欠き取りは図の様に片方の部材だけ両側
に欠き取りを追加して、三方胴付き状態にした物です。この追加の欠き取
り加工は直角ですからわりと楽に出来ると思います。もちろん角度を付ける
ことも出来ます。組みあがりは矢印のように、相欠き接ぎとまったく同じ形
に仕上がりますが、底面はその下の図の様になり、その違いを見ることが
出来ます。
実際の加工では切欠きの手数は増えますが、はめ合いの調整は楽になり
ますし、組み立ても相欠き接ぎよりは容易に出来ると思います。
もちろん優劣はありませんが、どちらかと言えば相欠き接ぎは細い部材向
き、欠き込み三枚組み接ぎタイプは太い部材向きでわないかと思います。
それぞれの特徴を理解して、適材適所で挑戦してみてください。

キャビネットの底板は前に書きました「相欠き打ち付け接ぎ」で作ることが多
いのですが、少し見栄えを重視して釘などを使わない構造の例を一つ挙げ
ておきます。

これは前項で書いた、框組みに棚板を取り付ける構造と似た発想です。
相欠き打ち付け接ぎの底板は縦に張りますが、この場合は横に張ります。
仕様にもよりますが、底板は12〜15ミリ程度の板厚で作りますが、板巾が
広くなりますので雇ざねで必要な寸法の底板を作ります。そして底板を
印断面の様に前横下框と雇ざねで接いでおきます。
図は右前柱と横下框を正面から見たところです。普通、前後左右の框巾は
同じにする事が多いと思いますが、この場合は矢印の部分を、左右と後
ろ框の巾を広くして、そこに点線の様に底板が入る溝を掘ります。
まず左右の框を組み立てます。次は溝にはめながら本体を組み立てれば、
底板張りは終わってしまいます。
この時に、底板の膨張、収縮の逃げスペースを後框の溝部分に見ておく必
要が有ります。
これで相欠き打ち付け接ぎに比べれば、見栄えの良いスッキリした底板に
なります。


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