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ホゾについて 8 2001.11.10記

次は支柱を加工していきます。
まず図の四角の込栓8ミリ角の通し穴を角ノミで開けます。
次にホゾの切込みを入れていきます。この加工では図の矢印の寸法が
一番大切になります。当然ここが狭過ぎれば入らなかったり割れてしまい
ますし、広過ぎれば擦り足が傾いたり接合強度が落ちてしまいますので、
まずこの寸法を慎重に擦り足と現合確認しながら決めてしまいます。
次に真ん中の通しホゾを、これも擦り足と現合確認しながら決めてしまいま
すが、ピッタリに越したことは無いのですが、あまりピッタリ過ぎると組み締
めが出来なくなったり、矢印部分の加工精度(バラツキ)の逃げを考えて
気持ち緩めにしておいてもクサビを打てば膨張しますので問題あるません。
ここの切り込みは下端より86ミリ(矢印)で角度が15度付き非常に深い
ので、まず昇降版やルーターなどで、取れるだけ取ります。
点線の様に残った部分は擦り足と同じ様に角ノミ盤に角度治具を使い
加工していきます。卓上の角ノミスタンドの場合も同様に図の矢印のよう
に垂直に開けられるところだけ掘りすぎに注意して掘り込みます。後はノミ
で角度、直線を確認しながら加工します。
ここでの加工において、特に線面はなるべく擦り足の欠き取とり溝と密着
するように、昇降版やルーターなどで加工した様な滑らかな平面が多くなる
ように工夫してください。たとえば残った部分を角ノミで加工する際には、
線面は少し控えて加工し、矢印の方向から昇降版やルーターなどで加工
した面を基準に薄ノミで削ってやれば滑らかな平面が得られます。これで支
柱加工は終了です。

次は組み立て前の仕上げにかかります。
まず擦り足をカンナで仕上げ削りします。次に支柱も仕上げ削りしていきま
すが、矢印の寸法は擦り足とのはめ合いがこの接ぎの要になりますので、
慎重に仕上げ削りします。きつ過ぎれば最後まで差し込めなくなったり、削り
すぎは修正が利きませんので作り直しになってしまいます。
この寸法は、擦り足のきり欠き溝巾80ミリ(現合合わせによる)+0.3〜0.5ミ
リで仕上げます。この値は大きければしっかり組む事が出来ますが、私の
場合はクランプで組み締めますので0.5ミリでも一か八かでこれが限界です。
プレスマシーン等が有ればもう少し大きな値にしたほうが良いでしょう。
またこの作業は湿度の高い日には作業を控えて、乾燥した日が何日か続い
た日に加工し、すぐに組み立ててしまいます。もし直ぐに組み立て出来なけ
れば作業も控えてください。
後はホゾ先の入り面、そのほか必要なところの面取りをして、図の様に
線内の胴付き面に当たる所を十分に木殺ししてこれで準備完了です。

次は組んでいきます。
この締め付けの最後はかなりきつくなりますので、最後まで差し込めたか確
認のため、最初の支柱のどこかに鉛筆で印を付けておきます。二本目は最
初に締め付けた物で現合確認します。
まず擦り足のホゾ穴と欠き取り溝に接着剤を塗布します。慎重に位置を確認
しながら支柱を軽く差し込みます。図の様に組み締め治具(矢印)を擦り足
側に当て締め付けが差込と平行になる様にして、図の矢印の方向にクラン
プで組み締めていきます。これは片締めですから最後に傾きを防ぐ意味で、
念のために180度向きを変えて反対側からも締め付けてください。
飛び出した余分なホゾを一ミリ程度残して切り取り、余分な接着剤をふき取
り クサビを打ちますが、クサビの案内溝は支柱に対して矢印の様に垂直
に開け、真ん中1本と1/10程度の所に2本の3本打ちます。
次に支柱の両側に図の様に当て板(四角)をあて、矢印のようにFクラン
プでなるべく強く締め付け、2時間以上固着を待ちます。

次にクランプを外しクサビを切り取り、余分なホゾをカンナやトリマなどで削り
取り、支柱両側下端の面を取ります。

次は込み栓加工をしていきます。
込栓は端材を使い、8ミリ角できつめに作り入り面を取っておきます。
まず込栓穴は擦り足には開けてありませんので、支柱に開けてある込栓穴を
ガイドにして角ノミで貫通させます。角ノミが使えなければノミで貫通させます。
後は接着剤を塗布し込み栓を叩き込んで貫通させ、1ミリほど残して切り取り、
クサビの案内溝をここでは真ん中に開けクサビを打ちます。
接着剤が乾燥すれば、クサビを切り取り余分な込栓を削り取れば、写真の様
な「欠き込みホゾ付き三枚接ぎ」の完成です。

写真の擦り足は中部分を2ミリほど削り取り浮かせて有りますが、理由については考えてみてください。また摺り足
は前後テーパー、上端にRが付けて有りますが、これはデザイン的な要素の大きい所です。
これはかなり強固な組み接ぎですから、イス、テーブルなどの機械的強度を求められる所には活用できると思いま
すし、普通の平ホゾとは違った難しさ、楽しさが有りますのでぜひ挑戦してみてください。


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