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キャビネットについて 2001.9.28記 
  
箱物については、基本的に板組みと框組があります。 
板組は巾広の板を組んで作りますので、シンプルでスッキリした感じが、 
なかなか良いものです。板組みの板は、「木の表、裏について」でも書き 
ましたが、乾燥によりヒビ、割れや捻じれ、反りが出ます。ヒビ、割れは 
支障のない範囲で使いますが捻じれ、反りは削ることになります。また 
材料は板組みできる程度の厚さの板は、巾が270ミリ程度までしか手持 
ちがないので、雇いざねで接ぎますので、どうしても材料の歩留まりが悪 
くなります。また木の組み方にもよりますが、どうしても手加工が多くなり 
ますので、価格は框組みに比べて高めになります。 
框組は、メカニカルな感じがなかなか楽しいものです。同じ寸法の箱なら 
ば(設計により変わりますが、私の場合)、框組みの方が5%前後軽くなります 
ので使用材料も少なくて済みますし、框組みの角材は乾燥によるヒビ、 
割れはあまり有りませんし、ヒビ、割れの出た板材からそこを外して、角 
材を切り出すことができますので、歩留まりが良くなります。主構造は角 
材で組みますので、ホゾ、ホゾ穴は、機械加工でほぼ対応できます。天板 
が付く時の反り止めのアリ加工や、天モール(支輪)が付く時などは少し手 
間が掛かりますが、全般的に板組みに比べて謙価にできます。 
  
以上のような事から、お任せであれば、個人的にメカニカルな感じが好き 
な事と、謙価にできますので框組で作らせていただきますし、板組の要望 
であれば未熟ながら板組で作らせていただきます。 
実用的な家具では、同じ機能を満たすならば、複雑な物よりは単純な物、 
難しい物よりは簡単な物が良いと考えています。 
たとえば、引き出しの前板と側板などはアリ組みで組めば外観、強度とも 
申し分ないと思いますが、写真に有る様な簡単な、包み打付け接ぎ(打付 
けと言ってもステンレスの長いビスで締めます)で丁寧に作っておけば実用強度 
は十分得られますし謙価にできます。もう少し頑丈に、と言うことであれ 
ば、アリ組み程の強度ではありませんが、包みホゾ組接ぎで作ります。 
(包みホゾ組接ぎについてはいずれChallengeで) 
箱物の底板や裏板は、写真に有る様に相欠きの打付けで作っています。 
また引き出しの底板などもベニマツを使っていますので、オールベニマ 
ツになっています。こだわりでは無いのですが、底板や裏板などに合板を 
使うと、どうもベニマツと雰囲気がそぐわないからです。これは合板のカツ 
ラ剥きの表情が、普通の板と合わないからだと思っています。付き板も考 
えましたが、そこまでするならベニマツにすれば話は早いと言うことで、今 
のところはオールベニマツで作っています。 
取手やツマミ、などは市販の物で良いものが沢山有りますので、要望の 
物を使いますが、お任せであれば、写真に有る様な、ノミで削りだした物 
を使っています。 
  
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