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天板の反り止めについて 2001.10.23記                                                         

無垢の天板は反り止めを入れてやらなければなりません。普通はコマ止       
めかアリ吸付き(吸付きをビス止めにする事も有ります。)のどちらかになります。     
コマ止めは金属か木のコマをビスで留める簡単な方法です。アリ吸付き
は天板の裏に反り止めをアリ挿しする物でこれが一番理想的な方法だと
思います。

プロであれば、価格のことが有りますので、どちらにするかは頭の痛い問
題ですが、アマチュアの方は変な制約が有りませんので、楽な方へ走らず
に、ぜひアリ吸付きにChallengeして質の高い家具を目指してください。               
家具の設計においても、コマ止めなどの楽な工法で考えて行きますと、家
具全体もそれに見合った工法へ流れてしまいます。逆にアリ吸付きなどの     
理に適った工法でたえず考る様にしていれば、自然と質の高い家具を作
ることが出来るようになると思います。ただし作る物によっては、そこまで
する必要の無い事も出て来ますので、そのあたりは柔軟な発想で、バラン
スを考えて対処してください。
実際にはなかなか難しい作業ですが、今はルーターやトリマが有りますか
らどなたでも加工出来るようになりますので、ぜひマスターしてください。

アリ吸付きは、天板にきつめに差し込まないと効果が有りませんし、テーブ                             
ルの脚やキャビネットと接合しますので、スミ入れと加工は非常に精度を    
必要としますので、慎重に作業してください。この時アリの深さは板厚の1/3
程度、巾は他の部材との関係や、天板の巾や厚さの関係が有りますので、
総合的に考えて決めてください。アリ巾が狭ければ高さを上げる事になりま
すし、アリ巾が広ければ高さを低くすることが出来ますが、吸付きの収縮が
大きくなり吸付きが緩くなる可能性が出てきますので、いろいろ試して自分
なりの良いバランス関係を見つけてください。
普通の設計であれば、二本の アリ吸付きは天板に対して直角に、アリ吸付
きどうしは平行に取り付けます が、特に平行が一番重要になります。
アリ溝が長くなりますと、きつく差し込む事が難しくなりますので、堅木では
テーパー(先細)にする方法も有りますが、べニマツの場合は平行でも木が
柔らかいのでクランプで組み締めてやれば、うまく木がつぶれてキッチリ組
む事が出来ます。ただし先広にだけはならないように注意して作業する必
要が有ります。
ルーターによるアリ溝掘り
溝堀は、ルーターで加工しますがこの時には必ず防護メガネを付けてくださ
い。また出来れば腕抜きもしてください。
ルーターに10ミリ程度のストレートビットを取り付けて、スミ入れした 線より5
ミリ程内側を、深さは0.5ミリ程浅めにしてフリーハンドで削り取ります。この
時に初めからアリ溝ビットで削らない様にしてください。アリ溝ビットは切削
抵抗が大きいのでフリーハンドで操作しにくいことと、もし何か有った時にル
ターの刃が直ぐに抜けない可能性が有ります。また鋭角部分になるべく負
担をかけないためです。アリ溝ビットはアリ部分だけに使うよう心がけて下
さい。
次にアリ溝ビットを取り付けて削りますが、私の場合は、写真のように1000
ミリのアルミスケールを案内定規にして加工しています。この時には一度で
決めようとせずに、まずはスミ入れ線より1ミリほど残して削り、2度目で決
めてください。また写真のように右側のアリ面が木口近くに来るときは、案
内定規が置けませんので天板と同じ厚さの板を作り、木口面に置いてそこ
に案内定規をセットすれば、問題なく加工できます。これも一つの治具です                       1
からケースバイケースで工夫してください。

次にルータースタンドで吸い付きのアリホゾを削りますが、吸い付きの木取クランプによる差し込み
りはアリ溝の幅方向に必ず正目を持ってきてください、これは木が収縮して
ガタが出るのを最小限にするためです。
アリの深さは天板に掘った溝より0.5ミリ弱浅めにします。また幅は削りすぎ
ると厄介ですから、アリ溝に当てて確認しながら少しずつ削り、アリ溝長さの
1/3強程度まで手で押し込めるくらいに仕上げます。もし削りすぎた時は、
アリホゾに薄板を接着し削り直すか、ケント紙を両面テープで貼り付けてみ
てください。それでだめなら作り直します。
後はアリ溝に差し込んでいきますが、この時にはめ合い具合を見て溝にロ
ウを塗るなどして下さい。私は写真のようにクランプで組み締めていますが、
長いクランプが無ければ当て木をして、少しずつ慎重に叩き込んでください。
写真の物はキャビネットですからこれで終わりですが、テーブルなどはアリ
吸い付きが見えてしまいますから、天板と同じ木の向きでアリ溝に入る木片
を作りアリ溝を埋めてしまい目立たなくします。


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