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雇ざね接ぎについて 2001.10.20記 
    テーブルやキャビネットの天板に使う幅広の一枚板は、なかなか手に入 
りませんので幅の狭い板を何枚か継いで使うことに成ります。板の接ぎは、 
いも接ぎ、ダボ接ぎ、ビスケットジョイント、雇ざね接ぎが主なところだと思 
います。私は、雇ざね接ぎを使っています。 
 
上の図のように、接ぎ合わせる板の両端に溝を掘り、その溝にピッタリ入 
る木(雇ざね)を入れて接着する物で、一枚板と考えても良いくらいの接着 
強度が有り、無垢の板接ぎでは良く使われる物です。 
 
板の接ぎ面はスコヤで直角を確認しながら、接ぎ面がピッタリ合うように 
カンナで削り平面を出します。良く中央付近は少しすかして削るようなこと 
を読んだりする事が有りますが、雇ざねを通しで入れてやれば真直ぐで 
問題ありません。また手押しカンナ盤で加工される方は、上の図の矢印  
を基準面として、手押しカンナ盤の案内定規面に当てて加工すれば、案 
内定規面の狂いが多少有っても、板は平面に接ぐ事が出来ます。 
  接ぎ板の溝堀作業は、ルーター、溝堀カッター、昇降盤などを使うことに 
なります。それぞれ向き不向きが有りますが、私はルーター、溝堀カッタ 
ーの二種類で作業しています。アマチュアの方でしたら、今はルーターが 
有れば、まず殆どの作業はカバーできますので一番お勧めです。この時、 
溝堀作業は板の裏面を基準面としてください。板の裏面は反り止めをア 
リ挿し加工をする事と、テーブルの脚やキャビネットとの相対関係が有り 
ますので、作業工程上なるべく平面が出ていたほうが楽に仕事が進みま 
す。またこの溝を、板の両端手前で止めて雇ざねが見えないようにしてい 
る物も有りますが、通しで入れたほうが強度が上がりますので、実用的な 
家具では通しが良いと思います。丁重に仕上げた雇ざね継ぎの見栄えも 
なかなか良いものだと思いませんか? 
       雇ざねの厚さは
接ぎ板の1/3〜1/4、幅は雇ざねの厚さの2〜2.5倍程度 
の範囲で、使う材料や使用状況により自分なりの寸法を見つけてください。 
また、接ぐ板が長い時には細く長い雇ざねを、精度良く作ることはなかな  
か難しいですから、2、3等分してやれば正確に楽に作ることが出来ます。 
溝と雇ざねのはめ合いは、上の写真のような状態で雇ざねを指でつまみ、 
出し入れ出来る程度に調整します。このはめ合いの調整は、作る物の大 
小など、ケースバイケースで変わって来ますので、数値や言葉
で表わす 
事が出来ません。いろいろ試して感覚を掴んでください。 
またもう一つ、はめ合いの調整具合に合わせて接着剤(木工ボンド)の粘 
度を水で調節してください。当然きつめなら柔らかく、緩めなら堅めにしま 
すが、あまり柔らかくすれば接着力が落ちますし、堅すぎれば圧着出来 
なくなってしまいますので、はめ合いの調整と同じように、経験して掴んで 
ください。 
普通は接着剤を水で薄める事は強度低下に繫がりますのであまりお勧 
めしませんが、私の場合は少しでも接着剤の使用量を減らしたい事も有 
りますが、雇ざねなどは通しで入れますので、少しでも隙が出来るのが嫌 
なので、雇ざねのはめ合いをきつめに作りますから、どうしても水で薄め 
ることが多いのですが、これは考えの分かれる所だと思います。自分なり 
の考えで作業してください。 
後はクランプで締め付けますが、この時には下の写真のように、表裏の両面から締め付けてください。片側だけで 
は反りが出てしまいます。この時にスケールなどで板の平面を確認して、狂いが有れば表裏のクランプの締め付け 
具合を調節してください。この時の平面確認は、溝堀のところで書いた事と同じ意味で、板の裏面で行なうようにし 
て下さい。この時、余分な接着剤がはみ出してきますので、150ミリのミニスケール(スクレイパー)などでこそげ取り後 
はウエスで完全に拭き取ります。後はこの状態で一日置いてから次の作業にかかります。 
 
                                                                       
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