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イス雑感 20 2003.2.20記
前座枠下の貫は無ければ一番良いのですが、強度的にはそうも行きませ
ので、強度確保のためには何がしかの貫的要素が必要になってくると思い
ますが、仮に貫を入れることを見て行きますと、物理的には左右に対して
の一番丈夫になる最適位置があるはずですが、邪魔にならないことを考え
ればなるべく上に上げたいところですし、編み座では編むための効率を考
えた作業スペースを考えなければいけませんし、見た目のバランスも考慮
しなければなりませんので、この部分も考え出すとなかなか難しくも楽しい
ところですから、色々工夫してみてください。
上の写真の椅子では前座枠下の貫はスペース確保のために左右の貫部
分にまで後にずらしてあります。これなどは足元スペースは結構稼げます
が、強度は少し落ちますし加工も少し面倒になります。また組み立ての作
業性も幾分悪くなります。
二番目三番目の写真のようなタイプ椅子では前脚を転ばしますので、貫は
自然に奥へ入ることになりますので、あまり不都合は出ないでしょう。
下の写真の椅子は上の写真の椅子ほど足元スペースは稼げませんが、
強度、加工、組み立てやすさを改善するために、貫の位置としては一般的
な位置としますが、貫自体を後に湾曲させて幾分足元スペースを確保する
ようにしたものです。
椅子では基本的に前脚側の幅寸法より後脚側の幅寸法を少し絞りますと、
色々な意味で収まりが良いように感じます。上の写真の椅子のようなペー
パーコードの編み座では、座枠の後を絞ることで編み上がりの収まりが良
くなるように感じますし、座
り心地としても改善されるように感じます。ペー
パーコードの使用量としても僅かではありますが少なくなりますし、座面の
形状としても台形になりますのでゆがみに対して強くなります。
この手に座としては左右の座枠と前後の座枠に段差を付けて、後の座枠
を絞る形がもう変えようのない一つの完成された形ではないかと思います
ので、基本と考えて良いのではないかと思います。前後左右の座枠に段
差を付けることで、編み上がりに立体感が出て視覚的にも良いものですし、
座り心地としても立体的な形が座り心地の良さにつながるように感じます。
また前に書きましたように、この編み座は編み方の性質上、座枠をなるべ
く薄く(上下方向)しなければなりませんので、前後左右の座枠を脚の同じ
位置に差し込むことになりますと、強固に組むことが難しくなりますが、段
差を付けることで互い違いに組むことが出来ますので、一石二鳥になりま
す。本当に良く考えられており、この辺りは素晴らしいの一語です。
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