−第4章:行脚 Part3 '03.05.03 with YN君−
ある夜(20:30ごろ),YN君から一本の電話.YN君行きつけのソ○ックスにて,一度弾いてみたかった”The Twin”の中古が入庫したとのこと.YN君!情報ありがとう!!
また,買いに行きかけている”Twin Amp”も中古が入ったらしい.う〜ん,なんてタイミングだ!さらには,”Custum
Vibrolux Reverb”とYN君の”Deluxe”を比較試奏させてもらえそうとのこと.
これは行くしかない.でも時間が遅すぎる.明日の朝に急いで行ってもよいが,売れてしまう可能性がある.幸いにも店の営業は,スタジオもあるため0:00までとのこと.更には,お客さんもいないであろうから,心置きなく試奏が出来そうだ.こんなチャンスは滅多にない.即,浜松まで行くことに決定!(40近いオッサンの行動とは思えない!)
4−1.in 浜松
GW中だが,時間も時間なので高速はすいていた.22:00すぎに店に到着.
弾いてみたかった”The Twin”がある.ノブも赤い.早速テキサスをプラグイン!
Fender USAThe Twin(Red Nob:中古) | |||
状態 | ややくすんだ感じがあるものの,きれい. | ![]() |
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仕様 | 2VOLアンプ.情報では”赤ノブは名機”との話も多い.VOLノブを引っ張ればBoostできるが,驚くことにTONEのノブも引っ張ってBoostすることができる. | ||
出音 | 低音 | クリーンではあるが,ややフィルターがかかっている感じ.パンチも少ない.ドライブはトランジスタ的な歪み. | |
高音 | 低音と同様,パンチがない. | ||
その他 | エフェクターの掛かりはよさそう.ドライブの音もトランジスタっぽく,現代的な音がする.はっきり言って好みでない. | ||
総合 | 事前情報で期待していただけに残念.いろんな音作りは出来そうだが,裏を返せば個性がない.試奏も1分もしないうちに終わった.60点. |
ガガ〜ン.期待はずれだった.名機とうたわれているが私には合わない.自分の耳で確認できてよかった.
続いて,現在の第一候補である”Twin Amp”の中古を試奏.新品は以前弾いたが,さて中古では・・・
Fender USATwin Amp(中古:2台目) | |||
状態 | 上記のモノ違いなので,感想は同じ.こっちの方がフィルターかかったような音がしてた.中古なのでエージングされているのかな. ちなみに気に入っていた”ドライブの音”も,こもり気味でやや減点.でも,総合評価は結構高い. |
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仕様 | |||
出音 | 低音 | ||
高音 | |||
その他 | |||
総合 |
う〜ん.思っていたより”ズキューン”とくるものがなかった.中古によるものなのか,先回舞い上がっていたからなのかはわからない.でも,高得点なのは変わってない.
ほかに”Custum Vibrolux Reverb(中古というか,店員さんの持ち物)”も弾いたが,上記と同じのため,コメントは割愛する.YN君の”Deluxe”も弾かせてもらった.やはりハリがあっていい音している.もらお〜っと!!
気が付くと23:30.しっかりと弾き比べができ,充実した時間を過ごすことが出来た.
せっかく浜松まで来たのでYN君の家に泊めさせてもらい,明日は静岡方面の楽器屋を廻ることにした.
4−2.in 静岡 Part1
5/3 9:00起床.天気は晴れ.気持ちいい.早速,高速を飛ばし静岡市内へと向かった.混んではいたものの,11:00ごろには無事,静岡市内に着いた.早く着いたのはよいが,静岡1件目は,店のOPENが14:00の張り紙が・・・.仕方がないので,他の店を先に廻ることにした.
静岡2件目.間口の狭い小さな楽器屋である.奥に入るとそこにはオールドのデラリバが・・・.期待しながらプラグイン.
Fender USADeluxe Reverb(銀パネ:オールド) | |||
状態 | '72の銀パネ.右の写真ではきれいだが,置いてあったのはネットがかなり汚れている.音がよければいいが・・・ | ![]() |
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仕様 | 1VOL.リバーブ・トレモロ付き. | ||
出音 | 低音 | パキパキしている.12インチスピーカの割に低音が出ない. | |
高音 | 上記同様パキパキしている.線が細い感じ. | ||
その他 | オールドで期待していたが,銀パネってこんな音なの?って思いました.どっか壊れているんかなって感じ. | ||
総合 | こいつとは一生付き合えない.モノが悪かったのかな.試奏も2〜3分で終わった.50点. |
ふぅ〜・・・.オールドとはこういうものなのか,ハズレのものだったのか?いずれにせよ,YN君のDeluxeとは比べ物にならない.ちなみにネットでの相場でも,銀パネは黒パネの半分くらい.そんな感じを体感できた.
次は,目的の店に行く前に,道中にある静岡3件目による.しかし,またもや定休日だった・・・.やはり郊外にある店っていうのは,GWはおやすみなのね.仕方がないので目的の店に向かう.
4−3.in 静岡 Part2
静岡4件目.そこは全国的にも有名な(らしい),ベル○ットという店だ.主にオールド物が中心で,いろいろ高そうなアンプが並んでいる.きっと店員も音に詳しいであろうと考え,好みの音を説明し何かいいアンプがないか訊いてみることにした.
MORY: | あのォ〜,SRVのような音を探してて,Twin Amp的な音で50Wクラスのモノを探してるんですけど・・・. | |
店員: | SRVですかぁ.やっぱOLDじゃないとあの音は出ませんねぇ〜.ご予算は? | |
MORY: | max20万なんですけど・・・. | |
店員: | あ〜はっは,それは無理ですね〜.やっぱオールドでないと・・・ |
詳細は忘れたが,上記のようなやりとりでMORYは半分キレつつあった(ホントに).オールドが良いのはわかるけど,こっちはプロでもない.近い音を探しているのだ.相談しているのにオールドしか薦められないのは,絶対的な音の感覚がないか,高いものを買わせることしか頭にない(つまり客の身になってない)のかと思い,それ以上訊くのをやめた.MORYは,”さんざん弾きまくって何も買わないよ〜攻撃”に出ようと思った.
ふと,陳列されているアンプを眺めていると,な・な・なんと!ホンモノの”Vibroverb”が飾ってあった.SRVの愛器だ!!雑誌でしかみたことがない.”うぉ〜感動した!(小泉風)”.しかし弾かせてもらえないとのこと.まあ当たり前か・・・.
Fender系では2台弾きたいアンプがあった.初体験の”Brues Deluxe”と,以前中古で弾いた”Custum Vibrolux Reverb”の新品だった.せっかく来たので試奏させてもらった.
Fender USABlues Deluxe(新品) | |||
状態 | 新品.2000年以前のモデルらしい. | ![]() Tweedのアンプです. |
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仕様 | 2VOL.60W..スピーカは3発.Hot Rod Deluxeの前のモデルらしい. | ||
出音 | 低音 | スピーカが多いこともあり,よく出る.容量に余裕があるのか,強く弾いてもブーミーな音にはならなかった.音質的にはややこもった感じになる. | |
高音 | 結構ハリがある.ドライブの音もサスティーンが伸びる感じで好みのタイプ. | ||
その他 | 旧型なので(ドライブが,Pro ReverbのようなSUNNユニットでない),オーバードライブ的な歪みで好み. | ||
総合 | 平均的に良く出来たアンプ.全体的にこもりぎみの音質が少し気になる.80点. |
ここで,試奏させてもらうためスタジオへ.
Fender USACustom Vibrolux Reverb(新品) | |||
状態 | 上記のモノ違いで,こちらは新品.中古のやつと同じ音がした.フルアップできたし,ブースター(TS-9 MOD)もかませて弾けたので,その感想を書きます. | ![]() |
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仕様 | |||
出音 | 低音 | ややブーミーな音.音圧はあるが,やや濁って聴こえる.TS-9かませると,ややソリッドになった.かなり近い! | |
高音 | フルアップしても生音はやや細い.2弦12fあたりの音がやや細い.一番オイシイところで線が細いのはつらい.TS-9かませると太くなりかなりいい感じ. | ||
その他 | TS-9をかませることで,近い音に近づけられるのはわかったが,このMODはコンプ感があるのが好みのわかれるところ.やはりオールドでなければだめなのか・・・. | ||
総合 |
やはりSRVと同様,”1VOLアンプでのドライブ+TS-9(ブースター)”で,かなり求めた音に近い.この感じだ!
この時点で,ドライブの音が気にいっているTwin Amp(100W)は消えた.やっぱ重いもんな.
なんと,その横にはSRVの音に一番近いとウワサされる”Vibro King”が・・・.お願いして弾かせてもらった.
Fender USAVibro King(スタジオのもの) | |||
状態 | スタジオ常設のもの.ここ2〜3年のものと推定. | ![]() |
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仕様 | 1VOL.40W.10インチスピーカー3発.プリント基板を使わないPoint to Point配線(オールド同様).ちなみに40万円也.ベックなどたくさんのプロが愛用しているとのこと. | ||
出音 | 低音 | すごい低音の響き.腹に響く感じ.強く弾いてもブーミーにはならず,ドライブしている. | |
高音 | ハリのある高音.ペラっとせず太い.太いけどブライト! | ||
その他 | 1VOLアンプでも,サスティーンが延びるだけでなく,オーバードライブ的な歪みが出ることがわかった.やっぱ違った.なんというか,音に背骨がある感じ.う〜ん.言葉で音を表現するのは難しい. | ||
総合 | 高嶺の花だが,いいアンプというものがどんな音がするものか体感できた. |
さんざん試奏したが,もちろんアンプもTS-9(MOD)も買わなかった.が〜はっは.でも,YN君の顔見知りの人がいることと,Vibro Kingを弾かせてもらったお礼代わりに,シールド(高かった!)とアーム(USA)を購入し,店を出た.
う〜ん,優しいMORY!!
いい時間になったので,最初の店が開店しているだろうということで,静岡1件目に向かう.YN君いわく,そこは掘り出し物が多いとのことで,宝くじ的な気分を持って店に入る.しかしアンプはほとんどなく,TS-9もない.まあ,掘り出し物とは”メッタにないから掘り出し物”というYN君の言葉を耳に店を出た.
ダメもとで,ここも掘り出し物が多いという”愛知県豊川のとある店”にYN君がTELしてくれた.やはりお奨めのアンプはないとのこと.落胆していると,なんとTS-9のオリジナルが本日入荷したとのこと!しかも¥29,800とのことで,通常の半額近い!でもなんと,既に4件の問い合わせが来ているとのこと.これは行くしかない!豊川へ向かう.
4−4.再び愛知へ
幸いなことに高速はすいていた.豊川が近づきYN君が店へTEL・・・.
が〜ん!ついさっきに,浜松の人が買っていったとのこと・・・.まあ仕方ない,縁がなかったと思うしかない.本当に必要なときは,高い金を出すことになるけどタマはないことはない.はぁぁぁ〜〜〜・・・.
ここまで来たら,YN君お奨めのアンプ専門店ド○ターミュージックに行こうということになった.この名古屋へ行く行動が,運命の出会いをもたらすことを,このときは知る由もなかった.
名古屋ICで降り,住宅街にある小さな倉庫のような場所に着いた.そこがド○ター〜である.店内に入ると,そこにはアンプが山積みになっていた.そこには,Fender系でまだ弾いていないデラリバ(新品)があった.またTS-9はなかったが,OD-809というコピーモデルがあり,一緒に試させてもらった.
Fender USADeluxe Reverb(新品) | |||
状態 | 新品なのだ! | ![]() |
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仕様 | 1VOLアンプ.リバーブ・トレモロ付き.プロでも愛用の多い'65黒パネルのリイシュー.一番売れ線のモデル. | ||
出音 | 低音 | 12インチのSPのこともあり,すごいふくよかな鳴り.それでいてソリッドさはある!気持ちいい!! | |
高音 | ハリがある.やや倍音のシャリという音がおしい.でもTONEノブで消すことができた.こいつはイイ! | ||
その他 | フルテンにするとかなりドライブする.バランスの良いいい音だ.クリーン系と思ってたので意外だった.OD-809でブースタをかませると,かなりSRVの音.ほぼ求めていた音だ.ほんとにOLDでしかあの音が出ないなら,こいつがベストな選択と感じた. | ||
総合 | ほぼこいつで決まりかけた.ただ,エージングされた状態(中古)の音を聴いていない.現行品のため,それを聴いてから決めることにした.ほぼ100点. |
最後のあがきのため,当初の第一候補の”'63 Vibroverb Reissue”を弾くべく小牧へ.幸いなことに,まだ売れず残っていた.その店にはオリジナルのTS-9があったが,頼んでも貸してもらえなかった.ケチ!!早速,音だしのためスタジオへ!そしてプラグイン!
Fender USA'63 Vibroverb Reissue(中古) | |||
総合 | デラリバと比較した.こちらは高音のシャリ音がなく,MIDが盛り上がっており好みの音だ.イコライザー波形で表現すると,デラリバが緩やかな谷に対しコイツは緩やかな山だ.ただフルテンで弾いたときにMIDが出すぎてやや濁る感があり,TONEでも修正は困難だった. これで決めた.デラリバ+TS-9で最善の選択だ.あとは中古を探すのみ. |
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MORYはほぼ決心がついた.このとき時間は18:00をまわっていた.朝9:00から移動&試奏の繰り返しで,2人ともヘロヘロだった.YN君も帰らなくてはいけない.そこでYN君が「前にHN君と杁中の店に行ったとき,デラリバか何かのアンプが置いてあった」とそそるような言葉を発した.うぉ〜,メチャメチャ疲れてるけど行ってみようということになり,いざ杁中へ!
4−5.そしてOLDと出逢った
道を間違えながらも,何とか店に着いた.あったぞアンプが.ん?オールドだぁ!”'66 Vibrolux Reverb”.最初に試奏した”Custum Vibrolux Reverb”の本家本元だ.あっ,同い年だね.値段を見ると”
¥248,000”!ぬぉ〜高いぃぃぃ.
でも状態がメチャ良い.高嶺の花に指をくわえるしかなかった.メチャ疲れていたので試奏をする気にもなれなかったが,YN君がFuzzを試したいとのことと,ここまで来たら全部いくぞの気合で試奏させてもらうことにした.いざ地下のスタジオへ!
Fender USA'66 Vibrolux Reverb(オールド) | |||
状態 | '66年製のOLD.私と同い年.傷などは特になく,経年劣化くらいですごくきれい!かっこ良すぎ.きっと大事に使ってもらったんだね.専用の堅牢なツアーケースも付属. | ![]() これは生写真です.撮ってきました. Good Condition!! |
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仕様 | 上記リイシューものと同様,トレモロ・リバーブ付で,チャンネルは”Normal”と”Vibrato”があり.ただし各ChにBrightスイッチが付く.1VOL.トーンのMIDはなし. | ||
出音 | 低音 | すごい低音.倍音が出ている感じで,こもっているわけではない.すごすぎる!Testifyのイントロはそのままだった(Vibroverbより良かった).VOL5を越えたあたりでドライブし始めるが,ブーミーではない.弦の響きが残っている. | |
高音 | しっかり高音が出ているが,とにかくハリがある.すばらしい.他とは比較にならなかった.他が”キィーン”という音ならば,こいつは”ピィィィーン”という感じ.(?) | ||
その他 | 低高音とも音圧があり,こもらず,ハリがあった.これがオールドというものなのか.文句のつけようがない.あるとすれば”値段”だけ・・・.ははは・・・はぁ〜. | ||
総合 | 別格といっても過言でない.すばらしい.しかし値段が25万!予算オーバーも甚だしい.でも音は120点!やっぱOLDはすごかった.気に入った姿を見てか,店員さんが値段を下げてくれた.でも22万.う〜ん.考えさせてもらうため1week程度Holdしてもらうことにした. |
余韻が覚めやらなかった.それほどすばらしかった.でも完全な予算オーバーだ.また,これほど大事にされてきたオールドを,さほどLiveもやらない自分がキープしてもいいのか,Vintageギターを床の間に飾るようなもんだ.でも,他の人が彼を床の間に飾らないとは限らない.YN君を金山駅に送ったあと(電車で帰ってもらったの.ごめんなYN君.ありがとう),帰りの車中でそんなことを考えながら帰宅した.俺が幸せにしてやる!と大袈裟かもしれないが,そう思い始めた.
このパネルにシールドをぶっこむ日が来るのか!!
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