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ホゾについて 39 2003.4.11記

こちらも欠き込み三枚接ぎと同じように、四角のように込み線を打つこ
とで、更に強固な組み上がりになります。勿論この場合も込み栓は通しに
して、両外から楔を打ち込むことがベストです。こうすることで抜け防止は
勿論挿し込み側が左右に開かないように固めることができます。
実際の加工の話になってしまいますが、このホゾの嵌め合いでは矢印
方向の位置が平ホゾの場合ほど決まりませんので、込み栓の穴をホゾと
ホゾ穴側に開けてピッタリ合わせることは、なかなか難しいことになります
のでホゾ側だけに開けておき、組み立て後にホゾ穴に習ってホゾ穴側を
空けて貫通させたほうが良いでしょう。

話が少し戻って横道にそれますが、この手の嵌め合いは前にも書いたと
思いますが、組み立ては最終の一度だけで仮組みすることは出来ません
ので、矢印方向の挿し込み具合や矢印方向の嵌め合い寸法を慎重
に確認しておく必要があります。
勿論他の平ホゾでもホゾを利かせる嵌め合いは全て仮組みしないのが基
本です。ただ厳密に言えばどの程度の仮組みかになりますが、嵌め合い
確認程度にとどめておく範囲になります。
これは逆に捉えれば簡単に仮組みできてしまう程度の嵌め合いでは、ホ
ゾの利きが弱いことになりますから、こうして組んだ家具は接着剤の働き
が勝った物になってしまいますので、非常に長い耐用年数を考えているの
であれば不安が残ります。

これは接着剤がいけないという訳ではなく非常に大切なものですが、ケー
スバイケースで考えていく必要があります。 例えば前に書きました下図の
ような雇いざね接ぎなどの、板接ぎを考えてみれば分かると思いますが、
同じように凹凸の嵌め合いではありますが、木端同士の面接合ですから木
の性質上ホゾを利かせることはできませんし、むやみに深い溝にすること
も意味がありませんが、非常に長く接着に向いた接触面積が広いことから
接着剤が有効に働きます。
これなどは接着剤があればこその、接着剤の勝った接合だと思います。
勿論これも雇いざねがある場合と芋接ぎを比べてみれば、雇いざねが有る
ことで格段に接合強度が上がりますので、このことからも分かるようにどち
らも大切なものですが、こうした場合はどちらかと言えば接着剤が主でさね
が従と捉えて良いと思います。


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