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木の乾燥について 1 2002.6.9記
木材は乾燥させることで、加工性、強度の向上や狂いを押さえることが出
来ますので、十分乾燥した木材を入手する必要がありますが、ホームセン
ターなどで板を購入するような場合は、ある程度の人口乾燥処理はしてあ
ると思いますし、空調が効いていますので店内での乾燥も進みますから、
直に加工してもまず問題ないと思いますが、乾燥状態がわかりませんので、
もし時間が取れるようでしたら2〜3週間程度は自宅で乾燥させておくと良い
でしょう。
その場合には角材は壁などに立木の向きで立てかけて置きますが、板物
は写真のように板同士を密着させないで、乾燥しやすいように間に細い桟
木などを入れてなるべく厚い板を下にして重ねていきます。これを桟積みと
言います。
製材所などでまだ十分に乾燥が済んでいない材などを入手した場合には
桟積みして乾燥させてから使うことになりますが、木の乾燥は自然乾燥で
おおよそ含水率は15%程度(平衡含水率)になると言われています。
正確に含水率を知ろうとすれば含水率計によらなければなければなりませ
んが、高価なものですしそこまでシビアにならなくても一定期間桟積みする
ことで後は支障なく使うことが出来るでしょう。
板の乾燥は木工において一番重要な事と言っても過言ではない非常に大
切な事ですから、少し自然乾燥における桟積みについて、初歩的ではない
かもしれませんが少し詳しく説明しておきますと、当然板を重ねてしまえば
板と空気との接触面積が少なくなりますので、水分の蒸発が遅くなりますか
ら、空気との接触面積を増やすために桟木を入れます。
また板は乾燥することで収縮していきますので、反り、ねじれ、が出てきま
すから、それを少しでも押さえるために、桟積みすることにより板の自重で
矯正して反り、ねじれを防ぎます。当然厚い板ほど反り、ねじれ、の力は強
いので、基本的には厚い板を下にして順次薄い板を重ねて行きますが、勿
論板の幅も考慮に入れて一番効率よく板の反り、ねじれを抑えることが出
来るように上下の配置を考えながら板を選んで積んで行きます。
図は板目材の木口を表していますが、前に書きましたように板目は乾燥す
ることにより青点線のように木表側に反りますので桟を入れて矯正しますが、
逆に矯正により板は乾燥しても反ることが出来ないので、木表面の収縮に
より赤楕円部分にひびが入りやすくなります。
板は下面より上面の方が乾燥しやすいので、水分の多い木表が早く乾燥し
て行きますと、益々ひびが入りやすくなりますし、たとえひびが入っても少し
でも浅いひびで済むように、木表の乾燥を少しでも遅らせて全体が均一に
乾燥していくように、板の向きは木表を下にして重ねて行きます。
それと図のような木口の年輪を見れば、おおよその木の径が想像できると
思いますが、径の大きい板や木の表皮に近い部分の板は全体が湾曲しま
すので、わりと少しの力でその狂いを抑えることが出来ますが、径の細い板
や芯に近い板ほど白丸部分からくの字に曲がり、その力も強いですからなる
べく下位にして、大きな荷重をかけてその狂いを押さえるようにします。
下図は柾目材の木口を表していますが、柾目による乾燥の収縮方向は緑矢
印のようになりますので、反る力は非常に弱いですから上位に置く事になりま
す。勿論おい柾材は裏表が出来てきますので、木表を下にします。
「木の乾燥について 2」で続きを書いていきます。
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