Challenge 2
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ホゾについて 34 2003.4.6記
後一つ楔の木目についてですが、先の写真からもわかると思いますが、
二段目の図は楔を拡大した図になります。
このように楔は板目状で作りますが、楔は板目で作ることにより打ち込み
時に楔が割れにくくなりますし、僅かなことですが緑矢印方向は柾目にな
りますので、木の伸縮は少ないですから、ホゾを利かせることに対しても好
都合になります。
またホゾが青矢印方向にホゾ穴に対して少し緩くなりすぎた場合には、そ
のまま楔を打ちますと前項で書きましたように楔が深く入ってしまい、胴付
き部分以上に割れてしまう可能性が高くなりますので、桃点線のようにホゾ
の両外側に薄い板を差し込んでから楔を打つようにします。
楔の作り方を簡単に書いておきますと、赤矢印ホゾ穴寸法の
三段目左図
のような柾目板を用意
しますが、出来れば完全柾目が良いでしょう。これ
を黄矢印のように楔の長さにカットします。このカットした板をその右図の
紫矢印のように、必要な緑矢印の楔厚さにノミで叩き割っていきます。
次ぎにノミで叩き割った小片を空矢印の図のようにノミでテーパーに仕上げ
ます。最後に白丸部分の楔の先を図のように耳を落として楔の完成です。
この楔の作り方については Challenge の「ホゾについて 6」と Challenge3
のアームチェアの製作過程の18項に
関連したことも含めて少し書いて有り
ますのでそちらも参考にしてください。
通しホゾの楔について少し細かく書いてきましたが、これについては私が軟
材のベニマツを扱う中から得た捉え方ですから、一般常識と異なることや
広葉樹などの堅材では当てはまらないこともあるかもしれませんし、そこま
で考える必要の無いこともあると思いますので、その辺りについては自分な
りに考えてみてください。これはこのホームページに書いてあること全てにつ
いても当てはまることでもあります。
下図左のように丸ホゾの通しホゾに楔を打つ場合を見ていきますと、当然
楔は角ホゾと同じですから茶色のように楔を打つことになります。丸ホゾで
すからどの向きにも自由に打ち込むことはできますが、木目の関係から点
線のように楔を打てば板を割ってしまう可能性が高くなりますから、楔を強
く打ち込むことが出来ませんので、接合強度が落ちてしまいます。
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