Challenge 2
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構造について 207 2006.4.20追記
笠木加工の流れについては終わりにしまして、先に少し書きました笠木と
本体との接合に関することと位置関係について再度少し書いてみたいと
思います。
こうしたところの接合は、ベニマツなどの軟材では接合強度と全体の機械
的強度を考えれば、通しホゾにしておかなければイスとして長持ちしませ
ん
から、いろいろな制約が多くなる傾向にあります。
例えば写真のような笠木では、当然通しホゾにできるところはアーム部分
に限定されてしまいますし、笠木に挿す位置は座面の仕様である程度限
定されてしまいます。また当然上の写真の笠木のように四点で保持する
場合は強度を出しやすいのですが、下の写真のように二点で保持する場
合では、接合する位置により接合部分に対して座ることによる力のかかり
方が変わってきますので、同じ接合強度であれば接合する位置の違いや
差込角度などにより耐久性が変わってくることになりますから、そうした観
点からの最適な位置、角度をイス自体の仕様(コンセプト)とも考え合わせ
ていく必要があります。
写真のイスは座面をペーパーコードで編んでいますが、その他カナコ編み
やテープ編みなどでは何度も書いていますように、基本的に四角く編むも
のですから、笠木との位置関係は上図のようになります。
こうした笠木は自然にランバーサポート部分を支える仕様になりますから、
笠置の湾曲は小さくなってきますし、しっかりした上半身のホールド感を求
めるのであれば、左右方向にもある程度の良い意味での窮屈さを必要と
しますので、そうした仕様を選択するのであれば自然と円弧仕様が向いて
いるのではないかと思いますから、益々円弧と座面の四角の収まりが付き
にくくなります。これは視覚的なことばかりではなく、普通のフレーム仕様で
は脚を四隅に配するわけですから、笠木との整合性の悪さを図からも想像
できると思います。
下の写真の例でもう少し具体的に書きますと、先に書いていますように笠木
との接合部分は通しホゾでしっかり楔を打つ必要がありますので、アーム部
分に限定されてしまいます。ここで四隅の脚をストレート(垂直)に伸ばして笠
木と接合しようと思いますと、それぞれの位置関係は下の図のようになって
しまいますので、当然矢印の部分の座面が足りなくなってしまいます。こうし
たタイプのイスでは、わりと上半身の立った姿勢になりますので、自然と腰を
後ろに引いて座ることになりますから、青矢印の笠木最後端ラインと緑矢印
の座面最後端ラインとの位置関係が非常に重要になります。
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