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構造について 173 2005.11.20追記

少し話を戻しまして、OUTSET の場合は被せの部分が出ますので、前に
書きましたように面取りなどの工夫をしていくことになりますが、これは前
板の表側を面取りする訳ですが、被せた部分は側板より左右に張り出し
ていますので、当然この部分の前板裏側を何らかの面取り的な加工も可
能になります。

図で再度説明しますと、上の図は引き出し左側の前板部分を上から見た
ところを現していますが、普通は例えば点線のように被せの前板前側を
色々な面取りを施して被せ部分を薄く見せたり、装飾的な効果を狙います
が、張り出し部分の前板裏側を点線のように大きく面取りしてしまいま
す。ただこの方法は裏側ですから当然本体との関係が出てきます。本体
側を点線のように加工することになりますが、引き出しと本体双方の加
工性、作業効率を考えれば、面取り角度としては留め(45度)を基本として
考えて良いでしょう。

また図は前板自体を分割した図で書いていますが、一枚板で OUTSET に
した場合は仕様により寸法的な制約が出る場合もあると思います。
どちらかと言えば大きい引き出しには向かないと思いますし、板組みの本
体が収まりの相性としては良いと思いますが、この合わせ部分の処理、収
め方は色々な仕様、形状が考えられますので、小引き出しなどでこの方法
を取り入れてうまくまとめれば、作業的には一手間掛かりますがそれなり
の意匠的な効果も狙えるのではないかと思います。

こうした引き出しの前板と本体フレーム部分の処理は OUTSET だけでなく、
INSET においても面一に仕上げるだけでなく色々な処理の仕方が有ります。
二段目の図は、上の図と同じ部分を INSET の面一で仕上げたところを表し
ていますが、これを基本として三段目の図のように引き出し前板を OUTSET
と同じように本体フレームより前に出してしまい、点線のように色々な面取
りを施してしまうこともできます。

当然逆のこともできますから、下の図のように引き出し前板より本体フレー
ムを出してしまい、点線のようにフレーム側を面取りしてしまいます。
こうした部分の面取りはその大小や角度、直線、曲線など色々できますし、
僅かに目違いを作ってしまったり細かい相対的な処理はかなりのバリエーシ
ョンができますので、それぞれの場合におけるバランス、向き不向きの相性
を考えながら色々工夫してみてください。


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