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構造について 166 2005.7.15記

柾目自体は丸太から板を切り出す場合には歩留まりが悪く、効率の悪い
取り方になりますので、柾目を多用することは材料の有効利用を考えた時
や材料の入手、価格的なことを考えた時には高いものになってしまう傾向
にありますので、矢鱈柾目を使うことは一考を要するところです。勿論見た
目の好みや柾目が必要、必然な部分も多々有りますし、考え方は人それ
ぞれで すからどちらを選択するかは自由です。前項に書いたようなことなど
も自分なりに考え加味しながら納得のいく方法を確立してください。

次に引き出しの底板について見ていきますと、極一般的には 二段目の図
のように引き出し内側に溝を掘って嵌め込む(落とし込む)構造が一番多
く用いられていると思います。当たり前ですが無垢の底板を使う場合には、
結構幅広の板を使うことが多くなると思いますので、溝深さと底板の幅方
向の伸縮に注意してください。
図でいけば矢印部分の余裕の取り方になりますが、前に書いています
ように向こう板側を絞ることも有りますから、その場合は左右の溝幅は平
行ではありませんので注意が必要です。余裕がなければ板の膨張で
部分を簡単に壊してしまいますし、壊れない程度の余裕が有る場合でも
矢印方向に側板を押し広げて、引き出しの出し入れに不都合が出てし
まうことも起きてきます。
そうした事から見ていきますと、底板自体の加工、製作的な面も含めて底
板に合板を使うことで随分楽になります。

この底板を嵌め込む溝は四面に掘り込んでしまう場合と、三面に掘り込ん
で向こう板は溝上面まで幅を落としてしまい、上の図のように引き出し自体
を組んでから、向こう板側から差し込んで釘なりビスで止めてしまう方法が
あります。図で説明しますと、下の図は向こう板(後)側から見たところを表
わしていますが、矢印の向こう板の板幅を図のように溝上面まで狭くして、
引き出しを組み立ててから底板を向こう板側から差し込めるようにしておくこ
とになります。
当然三面は溝に嵌め込まれますので、向こう板部分のみ矢印のように釘
なりビスで止めておくことになります。この時にこの部分の底板は構造やア
フターケアなどを考えれば、接着しなでおく方が特長を生かすことになるで
しょう。


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