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Challenge 2
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構造について 159 2005.7.1記
INSET
と OUTSET 、吊り桟方式と受け桟方式との組み合わせで、随分色
々な形、構造ができますし、そこに本体構造も加わりますので、相当のバ
リエーションができますから、自分なりにシックリくる作りを見つけてください。
引き出しは引き出し口に収めた時や出し入れで抵抗があってはいけませ
んので、四辺有る程度の隙間を空けますが、INSET の引き出しの前板は
基本的に引き出し口ピッタリかほんの僅か大きめに作り、側板を組み付け
てから現物合わせしながら少しずつ削って調整していきます。当然伸縮の
関係で上下方向はある程度隙間を大きく取ることになります。INSET の場
合はこの隙間が目立ちますので、仕込みにはなかなか気を使う部分にな
ります。
引き出し口と引き出しをどの程度の隙間に調整するか具体的な数値を挙
げますと、左右方向は本体がどんな構造においても、普通なら伸縮に対し
てまず考慮する必要はありませんので、赤矢印の左右合計で0.5ミリ程度
を目安に調整してい
けば不都合が出ることはないと思います。
上下方向は引き出しの大きさ、即ち前板の板幅により伸縮寸法が変わるこ
とになりますし、横桟の有る無しでその合計寸法分の伸縮も加味されてくる
ことになりますので、扱う樹種やその状態、家具を作る季節や引き出しを調
整する時の湿度、本体構造、と引き出し寸法など色々な要素が関係してき
ますから、決まりきった寸法では不都合が出る可能性が高くなりますので、
ケースバイケースで不都合の出ない寸法を見つけていくことになりますが、
外観的なことや出し入れの快適さを考えれば、不都合が出ない範囲でなる
べく狭くしておきたいところです。
あえて具体的な目安寸法を挙げてしまえば、上下合計で1〜2ミリ強程度で
調整ていけば、まずまず不都合が出ない引き出しに仕上がるのではないか
と思います。
また受け桟方式では引き出しは据え置きですから、緑矢印の前板の下端は
横桟と密着して、青矢印のように上端のみに隙間が開くことになりますので、
隙間が目立つ傾向にあります。
一方吊り桟方式では、当然吊り桟部分を基点として板が上下に伸縮します
ので、極端な例えとして上端に吊り桟を取り付けたときでは、下端の隙間を
多く見ておく必要が出てきます。要するに吊り桟を取り付ける位置により上
下の隙間の取り方を変えていく必要が出てきます。
またこのに場合引き出しを図のように上下に並べる場合は、白矢印の引き
出し間の隙間は吊り桟に位置に関わらず等間隔で空く(空ける事ができる)
ことになりますので、見た目の収まりは良いでしょう。
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