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木について 2 2002.6.6記

板断面の年輪の流れからも想像できると思いますが、基本的には鉋
がけなどの作業においては当然順目からかけることになり ますので、
図の色の板のような木目においては木表側では末(上)から元(下)
に、木裏では 元(下) から末(上)に向かってになります。
ただ現実には真直ぐな理想的な木ばかりではありませんので、反った
り 波打ったり節があったりねじれていたりしますから、単純ではありま
せんのでラワンではないですが、一枚の板の中に逆目と順目が混ざ
ることは良く 有りますので鉋がけなどの作業においてはケースバイケ
ースで注意深く 対応していく必要があります。
また木端面の面取りなどにおいても年輪の流れから読みにくいことも
良くありますが、こうしたことは文章からは分かりにくいのですが、削っ
てみればすぐ分かりますので体験が一番です。

次に丸太から板や角材を切り出したときの名称と伸縮について書いて
いきます。

図は丸太の断面ですが、一般的に家具に使う木を切り出す場合には、
芯部分にあたる丸部分は非常に硬く、芯部分でくの字に曲がりやす
く使いません。また表皮側にあたる辺材の円部分は白太と言い、心
材に比べて白色や淡色で水分も多く強度も有りませんし、腐朽菌等に
弱く使いません。
ただ樹種により白太を使う木や、心材と辺材の不明瞭な木もあります。

図の色の板の木目は前項でも書きましたように山形になりこれを
板目、色の板の木目は縞模様になりこれを柾目と言います。また
この中間程度の板をおい柾と呼びます。
角材を取る場合こちらの拡大図は断面で表していますが、色は板目
と同じことですから木端面が柾目になりますので、二方柾、黒色は四
方柾となります。

一本の丸太を矢印の方向に製材して板を取って行くことを考えて見
ますと、芯付近から取る板 は柾目になりますが、後の板は殆ど板目に
なりますから、一本の丸太から取れる柾目板の数は少ないので、柾目
は非常に 歩留まりに悪い木取りになることが分かると思います。
また完全な柾目板を取ろうとすれば、芯より放射状に木取るしかない
わけですから、幅 広の板は取れませんし非常に贅沢なものになってし
まいます。
説明の都合上一番単純な一種類だけの製材方法で書きましたが、勿論
柾目(おい柾)の板を少しでも多く取るため等の製材方法も他に色々有
りますが、どちらにしても柾目は歩留まりの悪いものですし手間もかかり
ます。

板を削る向きについては、上記したように木目が山形になる板目におい
て、基本的には裏と表は反対になります。下図2点は柾目の木口を表し
ていますが、左図のように完全柾目では木表木裏は同じ条件になります
ので、木表と木裏がなくなりこの場合は裏表共同じ向きに削ることになり
ますが、現実には右図のようにおい柾が殆どですから木表と木裏があり
ますので、板目と同じように裏と表は反対に削ることになります。

「木について 3」で続きを書いていきます。


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