Challenge 2
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構造について 81 2005.1.26記
前項の続きになりますが、下図のように部材に対して角度の付いた編み
方になりますと、当然テンションをかけて編めば編むほど、ロープは編み
枠に対して直角の最短状態になろうとしますので、矢印の方向へ寄ろうと
することになります。実際には編み込み面ではロープが並んでいきますし、
編み込みでロープが抑えられますので思ったほどには動きません。また編
み枠部分でも全て編み終わって、ロープで編み込む部分が埋め尽くされて
しまえば、収まりとしても問題ないのですが、少なくとも巻き枠部分では絶え
ずこうした力が働いていることになりますし、座ることで荷重がかかれば、
いつの間にかどうしても白丸部分(対角の端部分も同じですが)の端のロー
プと巻き枠に隙間が出やすくなります。
編んでいる途中では綿ロープは軟らかく編み枠に対して引っ掛かりが良い
ので滑りにくく、ペーパーコードは硬くて滑りやすいので動きやすく、当然こ
の編み込む角度が大きくなるほどその違いが現れてきます。どちらにしまし
ても設計段階で少しでも不都合がでにくいように、なるべくこの編み込み角
度が小さくなるように考えていくべきですが、極々大雑把な目安としては綿
ロープでは最大限15度程度、ペーパーコードでは最大限10度程度と捉えて
後はたとえ僅かでも角度が小さくなるように考えていきますが、私のやり方
で試した限りでは、この最大の目安値より多少欲張っても編むことは可能
ですし、編み上がりはうまく収まりますが、長い間イスを使うことを考えます
と、やはりできるだけこの角度は押さえておく方が無難でしょう。
当然扱う木の違いや形状、加工とその仕上げ方の違いや編み方など、色
々な要素で変わってきますので、自分なりのものを試して見つけてください。
上左の写真のイスの側座枠や、その右写真のイスの側座枠と脚(柱)背側
のフレーム形状は、全て端末が細くテーパー状になっていることが分かると
思いますが、当然テーパーがきつければきついほどロープは細い方へ寄ろ
うとしますので、これについても当然編み込み部分の赤矢印のフレーム形
状としては、平行であることが編み込みにおいては理想的になりますので、
外観的なバランスや構造上この例のようなイスでは致し方ないところもあり
ますが、この例のようなイスに限らずどんなイスでも、なるべここうしたところ
がきついテーパーにならないような方向で考えてまとめ上げていく必要があ
ります。
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