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構造について 65 2004.12.1記

背面より

あと少し前項の話を続けますが、もう少し厳密に見ていきますと、矢印
寸法が大きくなればなるほどペーパ ーコードの緩み(垂れ)も大きくなりま
すので、イスの大きさに関わらず矢印寸法はある程度までで止めてお
く意味が分かると思います。
編み込みにおいてもこの編み方は、前後左右に渡したペーパーコードが
クロス(編み目として稜線が出る部分)する部分は下側にあるペーパーコ
ードを押し上げて必ず接触させてロック しますから、矢印寸法が大きく
なればなるほど、クロス部分のペーパーコードが離れてしまいますので、
編み初め部分は特に接触させにくくなり ます。
またこのロック部分は強引にでも接触させてロックしますから、絶えず離
れようとしていますので、使用することでペーパーコードが緩んできた時に
は編み目が乱れやすくなります。

一方写真のように前後左右の座枠の段差を付けた場合は、基本的には
同じ編み方ですから、編み上がりの外観はほぼ同じですが、段差を付け
た分だけは形が変わってくることになります。当然段差を付けた分だけ座
面の凹凸が大きくなります。ここでは詳しく書きませんが、基本的な編み方
は同じでも座枠に対するロープの渡し方が何種類か有りますので、私の
場合は前 後左右に渡したペーパーコードがクロス(ロック)する部分が、な
るべく自然に近付いてしまうようなロープの渡し方を選択していますが、こ
のことと前に書きました、どの程度前後左右に段差を付けるかのことから
矢印寸法は大きくすることが出来ません。
ここの説明は非常に表現がまずいので、経験したことのない方には多分
理解不能ではないかと思いますが、とにかく矢印寸法はあまり大きくす
ることが出来ないということです。
また段差の事は別にして、前後左右個々の座枠については図のようなこと
が有りますので、どちらにしても矢印寸法はあまり大きくすることが出来
ません。

前に書きましたようにこの編み方は三層に編み上がりますが、矢印寸法
が大きくなればそれだけ三層部分で離れたところが大きくなる訳ですから、
編み上がりの座面強度も弱くなり、緩みが早くなりますし大きくなります。
これは前後左右の座枠の段差を付けた場合は、段差分が更に浮くことにな
りますので、その傾向が大きくなります。


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