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構造について 62 2004.11.25記

背面より  
 
背面より  

またまた話が堂々巡りのようになってきてしまって、訳分からん状態になっ
ていますが、とにかくどんな編み方でも編むことによるテンションが座枠と
ホゾ部分に相当かかりますし、 座ることで更にその力が大きくなりますの
で、部材が反ったり捻れたりホゾ部分にそうした力がかかりますので、強
度に付いては良く考えてください。特にベニマツのような軟材では相当無
理な部分も出てきますので色々工夫してみてください。
勿論編み込みで部材同士を寄せ合い(締め付け)ますのでホゾが抜ける
事はありませんが、くれぐれも力のかかり方を良く考えてください。

堂々巡りの道草ついでに編み座について少し書いてしまいますが、上の
写真のイスのような編み方と下二つの写真のようなカナコ編みでは一目
瞭然、全く異なる仕上がりになりますが、カナコは縦横の布編みですから
一つ(一枚)の面として捉えて良いと思いますが、上の写真の編み方は前
に書きましたように三層に編み上がり、表面自体は対角に編み目の稜線
が走り、そこからそれぞれ四辺の座枠にかけた部分は、ペーパーコード
が平行に走るだけで独立しています。

こうした編んだ面は長年の使用でロープが伸びたりして面が緩んできます
ので、カナコ編みでは縦横で編んでいますのでわりと変化が目立ちにくい
のですが、上の写真のような編み方ではロープ間がすいてきたりして、カ
ナコ編みに比べて変化が目立ちやすい傾向にあります。ただ座り心地(当
たり)に ついては、普通どんな編み方でも使うことによる面の緩みを見越し
て、編み込み自体はなるべくテンションをかけて編んでいきますので、当初
は当たりが きつく(硬く)感じると思いますが、使うことで段々当たりが柔ら
かくなり 快適な座り心地になってきます。
二段目の写真のカナコ編みについて一ついえることは、先に書いています
ように編み上がりは一つ(一枚)の面として捉えて良いと思いますが、例え
ば座枠の上下方向の寸法を小さく(薄く)して、裏面もロープを通して埋め
尽くしてしまった場合には、座面が伸びて柔らかくなり裏面に接触する程度
までになった場合には、表裏二面で加重を支えてくれることになります。
綿ロープでは伸びが大きくなりますし、大きい座面のイスではこうしたことも
頭に入れておくといいでしょう。
ただ当然座枠の上下方向の寸法を小さく(薄く)した場合には、同じ位置に
四面の座枠を差し込むことになりますので、強度を考えると構造的な難しさ
が出てきます。

イスは基本的にはお尻で座るものですが、日本では文化的と言うのか伝統
的なライフスタイルからイスの上に正座したり胡坐、片胡坐をかいたりして
使われることも、ままあるのではないかと思います。現実にこうした使い方
を前提に作られた椅子も結構たくさんあると思いますが、こうした場合はど
うしても座面に対して局部的と言いますか、不均一に荷重がかかりやすくな
りますので、上の写真のような編み方では編み目がずれたりする可能性が
高く なり、この編み方ではその性質上一度編み目がずれてしまうと修正す
ることがまず出来ませんし、見栄え的にも悪くなり座面の寿命が短くなるこ
とも考えられますので、そうした使い方が多くなるようでしたらどちらかと言
えばですが、編み座の椅子でしたらカナコ編みの座面仕様にしておく方が
無難 ではないかと思います。


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