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 Challenge 2                               
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構造について 54 2004.11.9記 
 
         また話が少し飛びますが、貫を上の右図のように入れた場合には青矢印 
の前脚間の貫は、二段目の図でいけば白丸部分に位置することになりま 
す。ダイニングチェア的なイスなどのわりと後傾の少ないイスでは、踵を後 
に引く動き姿勢も少なくないと思いますが、普通に考えれば貫がなければ 
邪魔なものがない空間を広く確保できますので、使い勝手としては良いで 
しょう。そうしたことから貫を入れる場合には、なるべく足元の空間を広く確 
保できるような構造、仕様を考えていきます。 
 
ただこれも足元にフットレスト的なものが有る椅子を好む方や、踵を上げた 
状態で座りたいことももあるでしょうし、ダイニングセット的なもので同じイス 
を揃え、大柄な方から小柄な方まで座る場合には、小柄な方にとってはフッ 
トレストになり助かることも考えられますので、低めの位置に貫を入れるこ 
とも考えても良い事もあるでしょうから、どんなことでも決め付けないでケー 
スバイケースで考えてください。 
 一般的にはやはりなるべく足元の空間を広く確保できような構造、仕様を
考 
えていくことが多くなると思いますが、例えば仮に白丸部分に貫が入る事で 
考えて見ますと、貫を入れることによる左右方向に対する機械的強度は仕 
様に対して最適位置があるはずですが、極端に下げたり上げたりした場合 
には貫効果は弱くなるなる傾向にあるでしょう。貫位置をなるべく上に上げ 
るほど邪魔になりにくくなりますが、これも極端に考えて最大限上にずらして 
前座枠ピッタリまで上げてしまえば、先に書きました座枠の幅を広げて貫を 
省く仕様にしたことと同じなります。 
 
視覚的なバランスや見た目の好みなどデザイン的な要素のことも有ります 
ので、こうしたところは人それぞれの感性の問題になると思いますが、結構 
悩む部分です。また板の座における座枠と貫の位置関係はどこでも構わな 
いのですが、編み座などでは編み込みに対してある程度のスペースを必要 
としますので、座の仕様によっては当然そうしたことも加味していく必要があ 
ります。 
    また一つの方法の例として   下の図は白丸部分の貫を上から見たところを表 
わしていますが、多少加工の手間と部材の歩留まりは悪くなりますが、図の 
ように貫自体を少し湾曲させて貫が後方へ行くようにして、多少なりとも邪魔 
になりにくい仕様にしたものです。 
   下の写真はそうした方法で前脚間に貫を入れイスですが、このイスについて 
は  Challenge 
3 の「ペーパーコードを編んだ椅子
の製作過程」で書いていま 
す
し、同じ Challenge 
3 の「アームチェアの製作過程」 でも同じ仕様になって 
い
ますので、そこの中の貫加工部分を参考にしていた
だければと思います。 
 
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