Challenge 2
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構造について 35 2004.10.2記
初めに木取りした直方体の状態が一番基準面が多く、加工が進むにした
がって基準にする部分が減ったり精度が悪くなってくる傾向にあると思い
ますので、木取りした状態で加工できる部分はなるべく最大限に加工して
しまいます。
イスの場合はとにかく他の家具に比べて仕様は千差万別ですし、角度や
曲線曲面が非常に多くなる傾向に有りますので、基準面、基準点を良く考
えて作業を進めます。勿論設計の段階から自分の持っている道具や加工
技術なども含めて作業手順をよく考えておきます。また加工や組み立てに
おける冶具なども良く考えておきませんと、設計はしたものの加工や組み
立てがうまく行かなくて完成させるこ
とができないことも起きてしまいます。
後脚をくの字に曲げた加工は結構厄介な部分ですが、バンドソーでラフに
落としてしまい、後はベルトサンダー(出来れば横ズリ式)で仕上げたり、テ
ンプレートを作りルーターテーブルで習い加工したり、冶具を工夫して手持
ちのトリマで加工したりになるでしょう。青矢印の部分ような凹のピン角に仕
上げることはなかなか難しく面倒なものですが、こうしたところは少しRを付
けてやることで加工自体は随分楽になります。こうしたことから後脚を茶点
線のように湾曲させる仕様も出て来ると思いますが、凹のピン角がありませ
んので反り台鉋も使えるようになりますし、加工自体は結構楽なものです。
ただ組み立てではクランプを掛けにくくなりますので、別の難しさが出てきま
す。
こうした後脚の加工では、ある程度同じものを繰り返し作ることがあれば型
紙を作ってしまい、それで罫書いてしまっても良いでしょう。勿論型紙にはホ
ゾ穴もあけておき、ホゾ穴も型紙で罫書きます。
二段目の図は一本の部材から後脚一本を切り出していますから、歩留まり
の悪いものになってしまいますので、仮に幅広の板があれば下の図のよう
に型紙で罫書いてバンドソーで切り出せば歩留まりは随分良くなります。
イスではこうした方法は各部材形状から歩留まりを考えると有効ですが、後
の加工を考えると逆に手間がかかってしまうことも出てきますので、ケース
バイケースで色々な面から総合的に良く考えてください。
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