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構造について 34 2004.9.30記

前項の続きになりますが、くの字の角度としては二段目の右図の方が大
きく取ることが出来ますが、イスに仕様により後脚の接地部分を点線の
ように張り出させるのであれば、背当たり部分の座面との角度自体は左
図の場合と変わらないことになります。前項で書きましたので重複します
が、右図の場合で後脚の座面より下部分は垂直で使うことを前提とすれ
ば、左図の場合と同じ部材寸法であれば随分背の角度を大きく取ること
ができます。
当然この辺りは前項で書きましたように、後方への安定性や使い勝手との
兼ね合いが有りますので、椅子の仕様により適宜調整していきますが、設
計したイスにどの程度の安定感があるかは、実際に座って体感してみなけ
れば分かりませんので、経験を積み重ねて自分なりの位置関係を見つけ
ます。
くの字に曲げた後脚のホゾ穴加工を少し詳しく 考えてみますと、二段目の
両図とも後脚の座面より下部分は垂直で使うことを前提とすれば、四角
は後足同士を結ぶホゾを表わしていますが、左図ではホゾ穴は部材と平
行ですからこのまま罫書いて加工することが出来ますが、右図では部材に
対して角度が付いてしまいますので、ケヒキも使うことができませんので罫
書きが面倒になってしまいます。仮に罫書いたとしても、ホゾ加工も角度が
付いていますので厄介です。当然こうした場合には矢印のラインでカット
して基準面を出してから、基準面にしたがって罫書いて加工することになり
ます。
背の仕様により一概には言えませんが、 背板部分も同様に矢印ラインが
基準面になりますので、カットして基準面を出してからの罫書き加工になり
ます。
また前後方向のホゾ穴は矢印方向にあけますので、当然同様に左図で
はそのまま罫書いて加工できますが、右図では基準面を出してからの罫書
き加工になります。この時に通しホゾの場合は反対面からのホゾ穴加工で
貫通させますので、角ノミはホゾ穴のあけ初めしか綺麗に仕上がりませんの
で、基本的には面を出してから穴あけとなり、穴あけしてから面を出すことは
しません(出来ないことはないのですが・・・)から、矢印のラインを出してか
らのホゾ穴加工で貫通させることになります。
こうした時にイスの仕様によってはこの後足のホゾ穴をあける部分が平行
でないこともあると思いますが、勿論これ以外のどんな場合でも基準面と角
ノミの性質を良く考えて作業を進めませんと、二度手間になったり、作業効
率が悪くなったり綺麗に仕上がりませんので良く考えてください。また量産の
場合には形紙や冶具の工夫で少し様子が変わってきますが、形紙や冶具を
駆使できる方はここに書いているような初歩的なことは必要ありませんので、
逆にここでは形紙や冶具についてはあまり深く追求しないことにします。


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