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構造について 32 2004.9.26記

 
 

少し話が後先になりますがイスの構造を考えますと、捉え方は色々有ると
思いますが作る側から見ると大きく分けて、上の写真のイスのように框で
フレームを組んで座板を乗せたいわゆる框構造と、下の写真のイスのよ
うに板厚のあるしっかりした座板に背と脚を挿したいわゆるウインザーチ
ェアのようなタイプに分けることができるでしょう。
框構造ではフレームで全体の強度を出してしまいますので、背座を色々な
素材のロープやテープで編んだりすることが出来ますが、丸棒で構成する
いわゆるシェーカーチェアなどもこの部類に入るでしょう。
また座板に背座を挿しただけの非常にシンプルな構造のペザントチェアな
どは、ウインザーチェアタイプに分類されるでしょう。

ペザントチェアは座板に角度を付けて脚(角脚が多いのではないかと思い
ますが)を挿し込み、背板も角度を付けて挿し込むだけのものでが、貫など
の補強的要素が無いですからシンプルであるがゆえに接合強度が全てで
すから、接合部分に角度が付いてくることもあって結構神経を使います。
背と座はお互いに板の反りを押さえ合いますので、シンプルでは有りますが
うまくまとめられていて理に適った素晴らしい構造です。
ウインザーチェアは構造的に見ると基本的には丸脚に貫の補強が入って、
背は板ではなくスピンドルのような細い部材で構成されていますから、材料
の入手や使用量、加工性やイスの重量などを考えると、ペザントチェアを
発展させたように感じますが、地理的なものや歴史的な背景がどのように
作用したかは良く知りませんので、こうした捉え方が妥当かどうかは分かり
ませんが、 構造から見ていきますとそう感じます。
構造としては四方転び的というのか三角を取り入れて背座を構成しますか
ら、各部材自体は細めで機械的用度が弱くても、組み上がってしまえば全
体としてはしっかり強度が得られますので、先に書きました材料の入手や
使用量、加工性やイスの重量などを総合的に考えると素晴らしいの一言で
すし、これほど構造の素晴らしさを感じさせてくれるイスを私は他に知りませ
ん。
主要部材は木工旋盤(轆轤)を扱う方であれば加工は早いでしょうし、当然
ホゾも丸ホゾが主ですから加工自体は容易になります。勿論木工旋盤が無
くても鉋の削り出しで部材を作ることが出来ます。ただ角度が付きますので
三角の要素が入ってくることから、設計においては少しややこしく感じること
もあるでしょうし、組み立てなども構造の性質上独特のものが有りますので、
とっつきにくいことも確かに有りますが、逆に結構イージーに扱えることも多
いですから、是非挑戦してウインザーチェアの素晴らしさを味わってみてくだ
さい。Challenge のイス雑感 5辺りから関連したことが書いて有りますので、
そちらも参考にしていただければと思います。


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