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Challenge 2
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ホゾについて 2 2002.6.27記
まず接着剤だけで平板の木端同士を接合して幅広の板を作ることを見て
いきますと、上図のように緑矢印の木端面を平らに密着するように削り、
接着剤を塗布してクランプなどで青矢印のように締め付けます。
これを「すり合わせ継ぎ」「平矧ぎ」とか「芋矧ぎ」と言い、きわ継ぎ(木端)
の基本となるものですが、接合強度は大きく有
りませんので、簡易な場合、
力のかからない所や、他の補助加工が必要になります。
これは面接着の基本になりますので加工法方も含めて少し詳しく書いてい
きますが、こうした板の木端を接合する場合には、木口面の乾燥による収
縮により白丸部分がすいてくる可能性がありますので、木端面を削る場合
には本当に僅かですが、赤丸部分の中ほどをすかせるように削り、クラン
プ等の締め付けにより密着接合させます。
ここを削りすぎますと逆に赤丸部分には、絶えず離れようとする力がかか
り続けることになってしまい、接合強度が落ちる可能性が高くなります。
この削りの確認は木端の削り面を水平にして合わせ、上の板を水平方向
にずらしてみれば何処が支点になっているかで良く分かります。
この加工は基本的な考え方で、必ずと言うことではありません。樹種、柾目
板目、寸法、補助加工との併用などケースバイケースで対処していくことに
なります。
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また木端面の直角を良く確認しておきませんと接着面よりくの字に曲がっ
てしまいますので、絶えず直角を確認しながら慎重に削ります。
どんな接着剤を使う場合でも、使用方法、注意書きの説明を一度はよく読
んで頭に入れておいてください。
こうした面の接着では片面に満遍なく接着剤を塗布しますが、面の仕様に
よりケースバイケースで粘度を水で調整し、筆、刷毛、へら、ローラー刷毛
などを使います。接着剤が多すぎても接合強度が落ちてしまいますので、
部材同士を良くすり合わせて余分な接着剤をはみ出させます。
またクランプの締め付けも可能な限り強く締め付けて密着させますが、片
側からの締め付けでは反ってしまいますので、写真のように必ず両面から
締め付け、スケールなどで平面が出るように両面のクラ
ンプの締め付け
加減を調整します。
写真の締め付けは大きな部材を締め付け面の広いクランプで締め付けて
いますが、薄い板や締め付け面の小さいクランプで締め付ける場合には、
木端面に食い込みますので必ず木片(当て木)を挟むようにしてください。
木端面のこうした加工も手加工だけですとなかなか難しいものですが、丸
鋸スタンドがあればチップソーで加工すればそのまま接着できるほどの切
断面が得られますし、ルーターやルータースタンドが有れば薄めの板であ
れば、ストレートビットで十分な接着面が得られます。また今は割と謙価で
非常に小型の手押し鉋が有りますので、そうしたものを使えば非常に簡単
に精度良く接合面の加工をすることが出来ます。
勿論どの加工でもそのままで十分接合できますが、手鉋で一削りしてナイ
フマークを取れば完璧です。
「ホゾについて 3」で続きを書いていきます。
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