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ホゾについて 109 2004.4.5記

別の言い方をすれば、両部材の接合する部分を単純に留めにカットして、
片側に三角の凸を付け、片側に凸に相応した凹を掘るだけのものです。
要するに胴付き面に45度の角度の付いた三方胴付き平ホゾ接ぎのよう
なものです。
止めホゾですから、当然矢印のホゾ先は包んだ部分より少し控えて仕
上げませんと、両部材の繊維方向の関係から、留め部分を離す方向の
力がかかってしまう可能性が有ります。勿論その控えた部分は接着剤溜
まりになります。

何度も書いていますように、止めホゾのように密封された部分に接着剤を
塗布する場合は、接着剤の逃げや塗布する接着剤の粘度、量を良く考え
ませんと、逆に密着が悪くなってしまう可能性が有りますので注意が必要
です。またホゾを叩き込んで組む場合などでは、衝撃的な力では接着剤
が逃げ切れない場合も出てきます。ある程度時間をかければ木に沁み込
んだり隙間に充満していきますので、クランプやハタガネで締め上げる必
要があ ります。

典型的な例として、二段目図のにような相欠き接ぎを組むことを考えますと、
矢印部分に接着剤を塗布しますが、相欠き接ぎの加工においては各接
合面は非常に滑らかに加工できますので、非常に密着性(密封性)の良い
組み上がりになります。当たり前ですが接着剤は滑らかな面同士が密着す
るほど良く効きますので、実際にこうした接合で部材同士が密着すれば接
着剤の必要量は相当少なくて良いはずですから、接着剤を多く塗布すれば
接着力が上がるわけではなく、逆に余分な接着剤の行き場がなくなってし
まい不都合な面が出てきます。こうした密封形の滑らかな面同士の接着で
は、必要最小限の接着剤を均一に満遍なく付き渡らせることが一番大切に
なります。
木口部分は接着剤の吸い込みが大きいので、どうしても多めに塗布するこ
とになり、余分は中に押し込められることになりますし、大きい部材になりま
すと少なめに塗布したつもりでも、結構溜まってしまうことに成ります。
また各部が密着しますので止めホゾのように接着剤溜まりになる部分があ
りませんので、部材仕様(形状寸法)により随分違ってくることは勿論ですが、
叩き込んでもなかな か密着しなかったり傾いてしまうことも起きてきますので、
接着剤の粘度、量が重要になってきます。またクランプなどで締め付けてお
きますと、矢印部分などから逃げ場の無い接着剤がいつまでもはみ出て
きますので注意が必要です。
とにかく通しホゾのような開放型の接合では、余分な接着剤はいくらでも逃
げ場が有りますので、無頓着にべたべたと塗布しても後が少し面倒なだけ
で(勿体ないですが)問題になることはまずないですが、密封形の接合では
結構神経を使うところです。また広い板同士を接着する場合は開放型の接
合ではありますが、ある意味密封形と同じようなことになりますのでなかなか
難しいものです。できればプレスマシンなどが使いたいところですが、なかな
かそうもいきませんので、色々工夫してみてください。


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