Challenge 2
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ホゾについて 105 2004.3.28記
接合した内隅部分はうまく仕上がっても接合面(ライン)が出ていますの
で、場合によっては赤点線のように仕上げて、内隅部分に胴付き面を設
けます。
基本的には三等分に分けますが、仕様的に必要があれば不等厚にしま
す。勿論この場合も基本的に両外に出る青矢印の部材はシンメトリーに
しますが、これも仕様的に必要があれば不等厚にします。この辺りはケー
スバイケースで臨機応変に対処します。
また基本としては緑矢印寸法は同じものを接ぎますが、部材同士を代違
い(寸法違い)にする場合も同様です。
この接合では当然どちらの木口も出てしまいますので、片側だけでも隠し
たい場合には白点線のように、凸側は短くしてて凹側はその分残します。
ホゾで言えば止めホゾ状態にしてし木口が出ないように包んでしまいす。
二段目の左図はその平面図になりますが、当然止めホゾですからホゾ側
は少し短くしておくことになります。
もう一つの方法として、その右図のように上端ホゾ先を留めにしてしまい
ます。これは接触面積が増えることによる接合強度を上げることもさるこ
とながら、捩れに対して強くなることの意味合いが大きいのでは?
こうした方法は箱物などで図の一点差線のように、上に天板(甲板)が乗
るような場合には、これで接合部分の木口が全て隠れてしまいます。
くどいようですがとにかく先に書きましたように、こうした開放型の接合では
嵌め合いの調整と接着剤の利きが全てですから、緩くなっては何ともなり
ませんので、くれぐれも慎重に加工します。ここではごちゃ混ぜで書いてい
ますが、やはり上の図のような角材の場合と下の図のような板の場合
では、
仕立てが変わってくるのは当然です。
どちらかと言えば下の図のような板では凹凸それぞれが強固になりますの
で、嵌め合いはホゾを利かせる状態に出来ますから、叩き込んで接着剤
がなくても組み上がるような方向で仕立てますし、上の図のような角材では
そこまで嵌め合いをきつくはできませんので、接着剤を主に働かせるよう
な方向に仕立てます。
勿論板でも幅の広いものを細かく分割する、あられ組み接ぎのようにした
場合は嵌め合いがきつくては組めなくなってしまいますし、接着剤の粘度も
有る程度ケースバイケースで調整することも有効な場合も出てくるでしょう。
またこの写真は分割を増やして五枚組みにした場合の例です。写真では少
し分かりにくいですが、両面の凸部分にビスや釘を併用してダボ埋めし、接
合強度の向上を図ったもので一般的に良く用いられる方法です。
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