Challenge 2
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ホゾについて 100 2003.12.2記
前項で書きましたようにこれは留め部分の雇いざね接ぎですから、一般的
に補強の薄板の木目は二段目の左図で言えば、当然青矢印方向に木取
りしますので、本体と薄板
(雇いざね)の木目の関係から必然的に赤矢印
寸法はあまり大きく取るこ
とができません。
木の伸縮から行けば木目を赤矢印方向に木取る方が理に適っていますが、
薄板の加工、扱いや後から挿し込む場合なども考えると、少し扱いにくいと
こがありますので、前者の方法で良いでしょう。
当然通しでは薄板が外に出ますので、それを嫌う場合は右の図のように止
めにすることになります。写真のものはこの止めで組んでいるところです。
止めの場合はどうしても薄板が短くなりますので、少しでも接着面積を稼ぐ
ために白点線のように、薄板をテーパー状にして内隅部分での幅を少し広
くします。勿論前項で書きましたように、緑矢印方向は木目の関係であまり
極端には広くできません。
この場合も補強強度が更に必要であれば、寸法的な制約はありますが薄
板
を二枚(二段)にします。また通しの場合は薄板を本体と色違いにして、
意匠
的な効果を狙うことは同様です。
留め部分の色々な仕様の関係で内隅側で止めて、外側から薄板を挿し込
む場合も出てくるでしょうし、通しの場合にテーパー状の薄板にすることも
できますし、内外どちら側を広くするかも自由です。またテーパー状ではあ
まり強引に差し込むと、当然留め部分を開く(離す)方向に力が働いてしま
いますので注意が必要です。
こうしたことは考え出すと色々出てきますが、多くの例を挙げ事細かに書い
てもあまり有益とは思えませんし、限の無いことになってしまいますので、雇
いざねに限らずその発想と仕様、形状や木の性質さえおさえておけば、ケ
ースバイケースで工夫して対処できるでしょう。
と言いながらも節操なくまた一つ例をあげますと、留め部分を単純にビスで
補強することもできます。下図のように単純にビスを隠すために座グリをし
てビス止めし、ビスの頭をダボで埋めるだけのものです。勿論場合によって
はビスが見えても構わないければ、そのまま単純にビスで留めて補強しま
す。ただ留めですから図からも分かるように、ビスの締め付け側は有効スペ
ースが外隅側へ行くほど狭くなってしまいますので、特にダボの座グリをす
る場合には注意が必要です。またビスは木口締めですからあまり効きませ
んので、極力長めの物を使います。水矢印のようにたとえ僅かでも角度を
付けてビス締めしますと、ビスの効きが違ってきます。
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