Challenge 2
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ホゾについて 89 2003.11.10記
前項で書きましたように水平の平行移動で組むことを前提にしますと、角
度の付いた部材はどうしても角度の付いたホゾになってしまい、ホゾも色々
な相関関係や制約が出てきてしまうのは致し方ないところです。
ホゾは胴付き面に角度が付いても、ホゾ自体は部材に対して真直ぐに仕
立てることが出来れば、加工接合強度共に有利になりますので、この場合
でしたら赤丸点線部分のホゾだけは真直ぐに仕立てることが出来ます。勿
論角度の付いたホゾ穴で組みますが、まず初めのこの角度の付いた部分
だけホゾを組んでしまいます。後は水平の平行移動部分を一気に組み立
てます。こうすることで角度の付いたホゾが一つ減りますし、組み上がり強
度も上がります。青丸点線部分を真直ぐに仕立てることも出来ますが、ホ
ゾ穴に角度が付いてきますと、前脚の木口とのスペースが小さくなってしま
いますので、部材強度に不安が出てきますし、イスでは赤丸点線部分が一
番力のかかる部分ですから、少しでもホゾを抜けにくくすすことを考えれば、
やはり必然的にこうなるでしょう。
これは一つの限定した場合の例ですが、こうしたことは特にイスでは色々
なことが出てきますので、ケースバイケースで良く考えて工夫してみてくださ
い。一つのホゾでも全体を見て、自分なりに思いつく限りのことを総合的に
考えるようにしていけば、質の高いものにつながるのではないかと思います。
イスでは前脚幅より後脚幅を絞ることも多くでてきますが、
縦横の違いはあ
りますが、同じ発想で対処できます。図で言いますと座に角度が付いた場合
では緑矢印の部材は横から見たところになりますが、この後を絞る場合は
当然この図が上から見たところになります。
別々に分けて見てきましたが、座に角度が付いて尚且つ後を絞る場合も出
てきますが、この場合も同様の発想で対処できます。ホゾ位置がどうなるか
はもう想像が付くと思いますが、黄矢印の木口から見た図は下のようになり
ます。当然部材は左右勝手になりますので、この図は向かって右の木口に
なりますが、実線が前側のホゾで点線が後ろ側のホゾ位置になります。
やはり部材がかなり太くなってしまいますし、縦横繊維を切ることになります
ので、やはりどちらも 5度程度までにとどめておくのが無難でしょう。木取りも
単純には行かなくなりますから、状況に合わせて考えます。
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