Challenge 2
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ホゾについて 88 2003.11.5記
平行な貫はなるべくそのまま単純な、角度の付かないホゾにしておきたい
ところですから、そうしますと組み立ては水平の平行移動で組み上げるこ
とになりますので、角度の付いた座のホゾを平行移動で組めるように工夫
することになります。
こうしたことに関しては他のところでも書いていますので、重複しますがもう
一度少し書きますと、角度の付いたホゾは部材の長さに三角関数が入って
きてしまいますし、角度の付いた胴
付き部分の加工も結構面倒なものです。
二段目の二本のホゾは上が座、下が貫を表わしています。座面の角度に
も寄りますが緩
い角度でしたら、座の部材は図のように角度の勾配分幅広
にして、上下勝手にホゾを付けて白点線部分で落とせば、ホゾ自体は角度
の要素なしで直角な普通のホゾとして貫と同様に加工することが出来ます。
ただ当然木を斜めに使いますから繊維を切る要素が入ってきますので、座
の部材強度は落ちることになり、目切れ状態を防ぐために基本的には板目
で取ることになりますが、ケースバイケー
スで木取りは良く考える必要があ
ります。また切り捨てる部分が出てきますので、歩留まりと部材強度を考慮
しておおよそですが5度程度までにとどめておいた方が無難でしょう。
イージーチェアなどで座の角度を5度程度を超えて大きく取るような場合は、
部材強度がますます落ちてきますので、こうした方法は少し無理があるので
はないかと思います。勿論歩留まりもかなり悪くなってしまいますので、少し
ホゾ加工は面倒になっても繊維に対して真直ぐ木取ります。
当然ホゾは貫と共に水平な平行移動で組むためには、三段目の図のように
胴付き面には角度が付いてきますし、ホゾも角度が付いてしまいますが、ホ
ゾの形は拡大図のように前項のホゾ穴の形と相対的に決めていきます。
この場合は水平な平行移動で組むために、ホゾは胴付き面に対して垂直に
仕立てますので、当然青矢印の部材の幅で最大のホゾ長さ(黄点線)が決ま
ってしまいますし、角度が大きくなるほど茶矢印の胴付き部分が広くなります。
即ちホゾ幅が狭くなります。
また通しホゾではホゾ先は、緑矢印のように胴付き面に対して平行に切り落
としますので、自由に通しホゾを長くすることができませんので、青矢印の部
材の幅との関係でホゾ穴部材との相関関係ができてきます。
細かいことを見ていくと色々有るのですが、
とにかくホゾに角度が付いてきま
すと、色々な寸法関係や制約がでてきます
ので、原寸図で色々な関係を確
認しながら考えていきます。
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