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ノミについて 2001.10.2記

しのぎ 薄 向待ち 追入れ

 ノミの作業は多様ですので、カンナのように他の物に代替することは、
なかなか難しいものがあります。Exhibitionに有るような家具の作りではノミ
が無ければ、作業することが出来ませんので、ノミに関しては出来る範囲
で贅沢をしてもいいかなと思っています。ノミその物についてや、刃の砥ぎ
についてはカンナと同様に、他を参照してください。
写真のノミは左から、しのぎノミ、薄ノミ、向待ちノミ、追入れノミです。

しのぎノミは、蟻組みや写真の契りなどの鋭角部の処理に使います。蟻組
みでは切り出しが有れば対処できますし、契りなどはうすノミや追入れノミ
でなんとか成りますので、私の場合は無くても良いのですが、少し贅沢をし
て使っています。

薄ノミは、ホゾ穴の処理や複数ホゾの内側の修正に使います。ベニマツは
強度が劣りますので通しホゾを多用しますし、椅子では交番加重が掛かり
ますので、強度確保のため薄めの二枚ホゾを多用しますので、狭いホゾ穴
の修整は追入れノミでは支えてしまいますので薄ノミを使うことになります。契り

向待ちノミは、5ミリ、6ミリ巾のホゾ穴の修正などに穂幅3ミリ、6ミリの2本を
使っています。刃の厚みが有りますので安心して作業することが出来ます。

追入れノミは、家具作りでは一番スタンダードなノミで、殆どの作業をこなす
事が出来ます。穂幅9ミリ〜42ミリまで出来れば、必要な範囲でずらぁ〜と
揃えたいところです。今は角ノミが有りますので、ノミで穴を開けることは少
ないですから、たたいて使うことはあまり無いと思います。ホゾ、ホゾ穴の
修正、面取り、仕上げなど、体験すると良く分かりますが、どちらかと言うと
横に滑らせて切るという感覚で使いますと、刃先に負担が掛かりにくく、長
切れしますし綺麗に仕上がると思います。ベニマツは柔らかいことと、たた
いて使うことはあまり無いので、私の場合は切れ刃角は鋭角に仕立ててあ
りますが、自分の使う木にあった切れ刃角を見つけてください。
ノミは切れ味が落ちてきますと、つい余分な力を入れるようになり怪我に繋
がりますので、まめに砥いで良く切れる状態で作業すれば、安全に綺麗に
速く仕上げることが出来ます。ベニマツは通しホゾを多用しますので、写真
に有ります、クサビなどはたくさん作ります。Exhibitionに有ります標準的な
イスで一脚に32本使クサビ 取手(ノブ)いますので、ノミが良く切れる状態で作業しませんと、
物が小さいですし結構長い時間の単純作業なので危険です。また取手
(ノブ)などの削りだしでは、最後の一削りは、砥いで良く切れる状態で削り
ませんと、削りすじが残ってしまいます。
取手(ノブ)を削りだすのはなかなか楽しい物です。写真の取手(ノブ)は、
私が標準にしている物です。自分のオリジナルな形を一つ見つけますと、
自分独自の家具の雰囲気が出てきますし、作る物に統一感が出ますので、
市販の物も良いですが、ワンポイントのアクセントとして自分独自の物を考
えてみませんか、もちろんノミの削り出しに拘らずに、金属、皮、布なんでも
有りです。またノミ、カンナの削り跡を残した仕上げも、なかなか良い雰囲気
で、作り手の個性が出て私は好きなのですが、やりすぎますと非常に嫌み
で媚びた物になってしまいますので、その辺りのバランスがなかなか難しい
ところです。
ぜひノミを使いこなして、自分独自の雰囲気の家具を作り出してください。


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