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イスについて 25 2002.3.11記
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テープ編みのイスの付いて少し書いていきます。
テープ編みのイスも綿やペーパーコードには無いスプリング感が有り、こ
れも一種独特の座り心地で、多少好みの分かれる所だと思いますが、な
かなか良いものです。また、ロープなどに比べると色々な種類のカラーテ
ープを入手しやすいと思いますので、さまざまな雰囲気を楽しむ事が出来
ますが、やはり一番の特徴は、軽量なイスを作りやすいという事と、わりと
早く編み上がる事になると思います。
ちなみに写真のイスはスタッキングチェアですが、一脚約3Kgです。前項の
写真に有りますペーパーコードで編んだイスは、約3.8Kg程度になりますの
で、多少仕様は違いますが、ほぼ同程度の大きさですから、軽量なイスを
作りやすい事が判ると思います。
写真のイスは25ミリ幅のアクリルテープで編んで有ります。ラブシートやベ
ンチ等の大型になれば、強度の関係から少し幅広のテープが必要になり
ますが、普通のイスであればこの程度にしませんと、テープ一本の増減で
イスの寸法が大きく変わってしまう事になります。特に後脚幅を少し絞って
設計する場合を考えてみれば良く判ると思いますが、寸法設定がし辛くな
りますので最大でも30ミリまでに抑えておいた方が良いでしょう。
アクリルテープ等の化繊のテープは結構カラフルな色や原色が有りますの
で、ポップな感じのイスが出来ますし、また、綿テープでは少し選択範囲が
狭くなりますが、生成りのままでもなかなか良い物ですし、綿ロープで書き
ました様に、少し贅沢をして草木染や柿渋染めもなかなか趣があって素敵
なイスに仕上がると思います。
テープ編みも他と同様に基本的には四角を編む物ですから、後脚幅を絞っ
て作る場合にはロープ編みと同じ様に三角部分は化粧編みして対処してお
く事になります。
普通は1、2本になると思いますが、一番簡易には前枠に捨て巻きして後は
普通に横テープを編んでしまいます。
後は図の様な位置に前枠の
内側に釘で留め前枠に対して直角になる位置
に側枠に釘で止めます。ただ、
あまり側枠に角度を付けますと、上図からも
想像できると思いますが、テー
プは幅が有
りますから横のテープが上手く収
まりにくくなりますので、理想と
しては平行が良いわけですから、後脚幅はあ
まり大きく絞らない方が良いで
しょう。
後は四角の部分を編んでいきます。
テープの張り方の説明は必要ないと思いますが一応書きますと、上左図の
様に、まず片側を巻き枠の内側に赤矢印の様に釘で止め、次にぐるりと回
して反対側の巻き枠にかけ、可能な範囲でなるべくテンションをかけて紫丸
部分をクリッ
プクランプで留めます。後は緑矢印の様に釘で留めてテープを
切ります。
後の対面もテープを上下に通す作業が加わりますが、同じです。
この時に前後の座枠に下図の様にRを付けた場合には、綿ロープの編み座
でも書きました様に、横テープをあまり強く張りますと、縦のテープが浮いて
きてしまいますので、縦は極力強く張り、横は様子を見ながら多少加減して
編んでいきます。
またフレームについては何度もくどいほど書きますが、Rを付けた場合には
テープのテンションでホゾに大きな負荷がかかりますので、橙矢印の寸法を
大きくしたり、板厚を厚くしたり、ホゾを強固に固めるなどの工夫が必要にな
ります。
「イスについて 26」で続きを書いていきます。
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