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イスについて 7 2001.12.27記
背座を一本のロープをで巻いていく方法を書いておきます。
この巻き方ついては、昔の北欧のイージーチェアは実物を見た事が有りませんので、写真から推考した巻き方で、異
なってい
るかもしれませんが、実際にこの巻き方で実用になりますので、参考にしてください。
基本的にロープ巻きの良さを生かす事だけ考えれば、ロープ巻きするフレ
ームの薄い物が理想的だと考えています。
これから行けば平鋼でイスのフレームを作れば最高の組み合わせだと思いますが、色々な意味でそう
も行きません
ので、ロープ巻きの特徴をよく理解してそれぞれの場面に対処して下さい。
背座を一本のロープをで巻いていく方法と座背別々のロープで巻いていく
方法の特徴を少し書いておきます。
まず、座背別々のロープで巻いていく方法は今まで書いてきましたが、こ
の巻き方も上に書きました様に、できれば赤矢印部分の寸法は小さい方
が理想的です。これは、ここが薄ければ表裏両面のロープで荷重を支える
事が出来ますから、対荷重が増えたわみも少なくなりますので、座面の横
のロープ巻きもまず不要になりますし、外観もスッキリした物になりますが、
座り心地を考えてRを付けますと、木の強度の関係から赤矢印部分の寸法
は大きくなり、表片面のロープで荷重を支える事になり、座面の角度が小さ
い場合には横のロープ巻きが必要になってきます。
ただ逆にこの巻き方は、単純にぐるぐる巻くだけでロープをクロスさせませ
んから、表裏のロープ間にスペースが出来ますので、ここに横のロープ巻
きを入れる事が出来る事になります。また、一脚に使うロープは結構な量
になりますので、この巻き方では背座に分割しますので扱いが楽になります。
次に背座を一本のロープをで巻いていく方法は、詳しくは後で書いていきま
すが、こちらは片面のロープをクロスさせますから、横のロープ巻きを入れ
る事が出来ませんので、赤矢印部分の寸法はなるべく小さくしておかなけれ
ばなりません。このことから木のフレームでは、薄い部材でRを付ける事は
強度的に無理が有りますので、フラットな枠で作る事になります。
ただこの時に、背座共通枠である図の緑の部材は、こちらでは巻き付けま
すので図では薄く書いてありますが、部材が厚くなっても影響有りません。
巻き始め巻き終わりの端末処理はこの巻き方だけでなく、ロープを使うイス
では多少工夫が要りますが色々な方法が有りますので、フレームの構造と
ロープの巻き方、編み方の組み合わせで適した処理の仕方が有ると思いま
すので、好みと合わせて考えてみてください。
イスのフレームの設計においては、前のロープまきと同様に、紫点線のロー
プ巻きラインが一直線になるように、またロープがフレ
ームから浮かないよう
に各部材の位置関係と部材の寸法、角度を注意して設計してください。
背座を一本のロープをで巻いていく方法は、背座別々のロープで巻いていく
方法は単純にぐるぐる巻くだけでロープをクロスさせませでしたが、ここでは
片側をクロスさせます。この時にクロスさせないロープを必ず表側(体が触れ
る面)になるように、図の白丸部分を基点として必ずここをロープが通るよう
に背座に巻いていきます。
この点だけ注意すれば巻き始めはどこからでも対処できますし、背座どちら
のどの向きにかけてもかまいませんが、ここでは説明の都合上、背座共通枠
である図の緑の部材の所から巻いていく事にします。
黄色の丸ポッチが巻き初めです。
まず、背座共通枠である図の緑の部材に
黄丸の様に一回巻き付け、次に黄矢印の様に白部材(前座枠)にかけ黄丸の
様に一回巻き付け、次に下からクロスに黄点線の様に背座共通枠の上側に
戻り、黄点線丸の様に一回巻き付け、次に茶矢印の様に青部材(
笠木)にか
け茶丸の様に一回巻き付け、次に裏からクロスに茶点線の様に背座共通枠
の前側に戻り、茶点線丸の様に一回巻き付け、これでワンクール終了です。
後は黒矢印の様に同じ作業を繰り返していきます。
テンションや詰めて巻く事などは他の巻き方と同様の作業になります。
この説明も文字で書きますと判りにくいと思いますが、図を参考に一度試しに
巻いてみれば単純な巻き方ですので、赤矢印部分の寸法はなるべく小さくして
おかなければならない事や白丸部分を基点する事などもすぐ理解できると思
います。
「イスについて 8」でもう少しロープ巻きについて書いていきます。
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