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扉について 2001.10.27記

扉は大きく分けて引き扉と開き扉があります。また開き扉は引き出しと同
じように、本体の前に被せて取り付ける中図の様なOUT SETと本体の中
に収めて面を合わせる右図の様なIN SETが有ります。上下は左図の様
にINにするなど、いろいろ変形は有りますが基本的には IN、OUTの二種
類です。また他にも巻き込み式などいろいろ変わった物がありますがここ
では除外します。

引き扉は、やはり扉を開くスペースが不要であることが一番の特徴です。
また地震などの時に中の物が飛び出しにくい事もよく言われる事ですが、
開けたままにしておいても邪魔にならない事も有ります。ただ開き扉のよ
うに間口を全開する事が出来ませんので、状況によっては不便を感じる
事も有るかもしれません。また扉が二枚ダブりますので有効奥行き寸法
は少し小さくなります。それと引き扉の性質上、縦長よりは横長の方がス
ムーズに動きますので、幅広の家具に向いています。トールボーイの家具
では上下に分割したりする事になります。
Exhibitionに有りますシューズボックスは扉自体はルーバーの引き戸です。

開き扉は慣れはあると思いますが、なんと言っても扉の開け閉めと、物の
出し入れの動作のスムーズさだと思います。また観音開きであれば、間口
を全開する事が出来ますので物の出し入れは非常に自由です。ただ当然
扉を開くスペースが必要になりますし、地震などで中の物が飛び出す可能
性が大きいので、それを考える方はロック機構などの付いた物を検討す
る事になりますが、少し不便になります。また開き扉は丁番で取り付けま
すので、横長では丁番に負担がかかり続けますので、Exhibitionに有りま
万能キャビネット(IN SET)の様なトールボーイの家具に向いています。
幅広の家具では開けるスペースのこともありますが、Exhibitionに有ります
流し台の様に柱を立て、扉を三枚四枚と増やしていくことになります。

開き扉のOUT SETは引き出しと同じように、扉を削って調整する必要が有りませんし、今は殆どスライド丁番を使い
ますのでルーター加工した所に丁番を取り付け、後は丁番のねじで調整するだけですから、工作機械を多用した量
産向きになりますので、引き出しと同じように一般の量販家具店で良く見かけると思います。

開き扉のIN SETも引き出しと同じように、大きめに作っておいて現合で調整します。四方の隙間を揃え面一にして、
丁番で取り付ける作業は、家具作りの中でもかなり難しい作業の一つですし、とても量産には向きませんので、これ
も引き出しと同じようにアマ、プロ問わず個人や小規模で作る方向きで、またその良さが出せる工法ですから、工房
家具や無垢の家具などはこのタイプが多いと思います。

引き扉は、ガタツキや開け閉めのスムーズさ、扉の重なり部分の隙間、扉の寸法比や扉の外しやすさ、はめやすさ
などを良く吟味する必要が有ります。
開き戸は丁番が要ですので、どんな丁番を使っているか、その取り付け具合や取り付け位置などを良く見る必要が
有ります。丁番を皿ビスで取り付ける事は、作る側から見ると結構難しい仕事ですが、ビス締めは基本的に皿ビスで
留めてある方が、長年の使用による狂いが少ない傾向に有ります。またビスのネジ山が潰れていたり、斜めに入っ
ていても直ぐに影響の無い事ですが、こんな細かい所にも作り手の家具作りに対する姿勢が見えてくるのではない
かと思います。扉と本体の前や側面に丁番を見せる様に取り付けるタイプの家具は見栄えにも影響しますのでビス
に目を向けるのも必要かと思います。
ガラスをはめて有る物は重いので、扉の作りや丁番、ビスまた寸法比なども見る必要が有ります。
扉は基本的に引き扉は横長、開き扉は縦長が、一番理に適っていて外観の収まりも良く、なんと言っても丈夫で長
持ちです。


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