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 板の表、裏について 2001.9.22記                                                      
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   無垢の板は、普通、木表を表に出すと思われているようですが、
これは木表の見た目の美しさ(木目)と、木の物理的構造上、ササ
クレが起きにくく、カンナを掛ける時にも、逆目が起こりにくい、と言
うことが主な理由だと思います。
一本の丸太から、天板用になるべく幅広の板を木取る時に、黄線
の様に、木の芯付近で取れば、最大の寸法が取れますが、木の芯
は非常に硬く、反りも大きいので普通は使いません。使えたとしても
正目取りに近くなり木目も楽しめません。青線のような、木の表面あ
たりでは、当然、幅広は取れませんし、白太が多くなってしまいます
ので、緑線辺りでしか、天板用の板は取れないことに成ります。

緑線辺りで木取した一枚の板についてみると、少しでも幅広にしよう
とすれば、白丸、辺りに多少白太が入る事が有ります。この時、木表
を上にすれば白太が表に出ることになりますが、木裏を表にすれば
白太は見えません。

木の乾燥は、 前項に有る写真の様に木表を下にして、桟を入れて積み
自重で乾燥中に板が反ったり、捻じれたりするのを強制します。
木裏は、先に成長しているので、堅く水分も少なくなっています。
木表は木裏に比べて若い部分であり柔らかく水分が多く、収縮が大き
いので木表側にそる傾向にありますが、強制していますので、乾燥中、
板の割れ、ヒビは、どうしても木表側に多く出る傾向にあり、木表を表
にすると、天板などに使える板が少なくなってしまいます。これらの事か
ら、硬度、耐久性、効率(歩留まり)を求める時は、木裏を表に、美観的
な物を求める時には、木表を表にすることになります。
右の図のように、天板として組んだとき、反り止めと天板の力関係は木
表を表にした時は、赤矢印の方向(分離)に向かい、木裏を表にした時
は、白矢印の方向(結合)に向かいます。

少し重複しますが、ベニマツという木は、一般にあまり知られていない木だと思います。気に入って、長年付き合って
みて、かなり柔らかく軽い木で、物理的強度もあまり大きく有りませんので、ベニマツを家具に使う時は、美術工芸的
な物や美的傾向の強い家具よりも、毎日の生活で使う実用的な家具に向いていると思います。
以上のような事より、総合的に考えて、私の場合は、框組みの幕板は木表を出しますが、後は(ケースバイケースで
すが)、ほとんど木裏を出します。特に、天板は全て木裏を表に出しています。
木の種類、特質や、家具の種類、構造、木の力関係を理解したうえでならどちらでも良いと考えています。

                        
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