−部品改良編−
ひととおりボディなどの大物に目処が付いた.後は音質を決める配線系の改良だ. 前述のように,オリジナル状態は”豆電球の線”みたいな細い線で結線してあり(右写真参照),とてもエレキの配線とは思えないものだった.まずはこれらを改良すれば,出音が良くなるかもしれない.これについてもアイデアがあったので,早速実践してみることに. そのアイデアとは,「古くなったシールドの芯線を使う」ことだ.ちなみに,シールドは”信号を伝える芯線”と”アース用の網線”で出来ている.ということは,シールドをムキムキして芯線を取り出せば,ギターの配線に使えるっていう寸法なの.たぶん,シールドに使うくらいだから音質は大丈夫だろうし,接触不良のシールドが再利用できるしね. ネットなどで調べると,マニアな人たちは”オールドの配線(高いぃ〜)”などを使ったりして,出音をチューニングしているみたい.(PUを換えるより効果があるっていう人もいるみたい) MORYはそこまでマニアでないし,安く仕上げたいのでシールドでチャレンジだ!(別の意味でオールド(中古)!(笑)) |
![]() ↑写真14 オリジナルの配線.まるで電気工作みたい.なんか センターPUあたりで絡まっているぞぉ〜! オ〜マイガ〜! |
ということで,下記写真のように作業を進めました.(ヒ…ヒマやないどぉ〜!) |
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↑写真15-1 シールドを分解〜中の芯線ムキムキ中 |
↑写真15-2 PUの細〜い線を外して,芯線を接続する作業中. |
↑写真15-3 こんな感じになりました.線が太くなっている? |
↑写真15-4 線をキレイに束ねて準備完了.あとは出音チェックだ! |
ふぅ〜っ.1時間弱かかったけど,無事完成したぞ!弦を張り,早速音出しだぁ〜!
キュィーン,チャラララ・・・.あれ?いまいちだなぁ〜.あまり配線の影響はないのかな.やっぱPU自身がショボイのかなぁ〜,”変な磁石”みたいなもんがついてるし(写真15-2参照).
いろいろ試してみたが,やはり音の入り口(PU)が原因みたいだ.こればかりは自作できない.ここであきらめてしまうのはいやだし,また質屋ツアーでもして探してみるしかないかぁ.MORYの頭には,ある作戦が浮かんでいた.
第11章 中古部品 調達ツアー その1
まともな音が出るようにするには,PUだけでなくトレモロをはじめ他の部品もゲットしなくてはいけない.MORYは「中古部品調達ツアー」を企画することにした.しかし中古楽器屋とかあまり知らない.あっそうだ!YN君はよく楽器の売買をしているので,よく知っているはずだ.早速誘ったところ,二つ返事でOKとの快諾をもらった.
実はYN君を誘ったのにはもう一つの理由があった.彼が以前「中古でストラト用のPU(VANZANTのPU)を安くゲットした」と自慢していたのを思い出したのだ.むふふ・・・交換すればモノがあまる・・・ぐふふ.
ある作戦とは,なんてことはない「余ったPUを安く譲ってもらうこと」なのであった.う〜んセコい.
「PUの相性を参考にしたいから,持ってきてくれへんか?(実はそのまま搭載してしまうぞ作戦!)」などと理由をつけ,ツアー当日に交換したPU(なんとテキサススペシャル)を持って来てくれることになった.彼もうすうす感じていたようだが・・・.よし!(笑)
ツアー当日,天気はあいにくの雨.まずは豊川にあるA店に.YN君曰く,そこは結構掘り出し物があるとのこと.アンプツアーの時に「TS-9が入荷した」といってたのもこの店だ.期待しながら店内へ.
店内は喫茶店のような感じだった.アンプが数台と,壁にはオールドギター十数本がかけてあった.おおぉ〜そそられる.しかし今回の目的は部品探しだ.店長さんに訊いたが,あいにく今は中古部品はないとの事.期待はしてなかったけど,やっぱ残念.
せっかく遠くまで来たので,壁にかかっているストラト(緑色のメタリック.珍しい)を弾かせてもらうことに.ちなみにこれは店長個人のもので,トレードで手に入れたとのこと(確か'61年とか言ってた.オールドだぁ!).YAMAHAのアンプ('80年ころ全盛だったヤツね)にプラグインし,音出しさせてもらった.Little Wingのイントロを弾いた瞬間,たまげた.
「な・・・なんじゃこりゃ!すばらしすぎる!」
アンプツアーの経験上,アンプの善し悪しで出音が決まると思っていた.しかしオールドギターは違った.量産の国産アンプでも余韻,色気がすばらしい.感動が止まらない.店長さんにさらに訊いた.店長さんはニヤリとして,入手したときのハードケースを持って来てくれた.そこには白い文字で「Jeff Beck」と書いてある!!!どっひゃぁぁぁぁ〜〜〜!
なんでそんなモノがココにあるのぉぉぉぉ〜!恐るべし,店長さん!どんなルートで仕入れたんだぁ〜〜!?更に訊くと,このギターはなんと「セッションの際,SRVも弾いてたみたい」とサラリ.
あっ・・・・・・・・・・・・ぁ・・・MORYは幽体離脱しかけた.
こんなところで師匠に関連するものに触れられるなんて!うおぉ〜!目的のものはなかったけれど,最高の思い出を残すことができた.興奮冷めやらぬまま,次の店に向かった.
ちなみにその日一日,MORYはネックを触った左手を洗うことはなかった.
第12章 中古部品 調達ツアー その2
時間もないので,すぐさま次の店へ.途中でHARD OFFなどに立ち寄りながら,目的のB店に到着.そこは,YN君が楽器を売る際よく来る店とのことで,時々中古パーツも置いてあったとのこと.わくわくしながら二階の店舗に向かう.
店に入ると,そこは10畳ほどのスペースで,壁には十数本のギター(主に国産)がかけてある.と,上ばかり見がちだったが,ふとショーケースに目をやると,そこにはなんと探していた「トレモロ」が〜!おぉ〜.しかも値段は¥2000なり〜!うぉぉぉぉ〜安い!
飛びつきかけたが,トレモロについてはいろいろチェックポイントを用意していた.変なものをつかみたくはないのでしっかり見る事に.
・まずは外見.キズとかは全然なく,弦がのっかるサドルにもキズはない.おそらく新古品だ.合格〜!
・次はサドルピッチ(弦と弦の間隔)だ.他の愛器同様のUSAサイズ(11.3mm.国産は10.8mmで狭い)がベスト.
店員さんに定規を借りて計った.よし,狙ってたUSAサイズだ.合格〜!
・最後にイナーシャブロック(弦を通す鉄の塊)だ.音質を考慮すると,オールドにも使われているスチール製(鉄.最近はダイキャストが多い)がベスト.見分け方は磁石にくっつくかどうかなのだが,あいにくそんなものはない.う〜ん.
廻りを見渡すと・・・あったぞ,ショーケース上に置いてあった中古のPU(ピックアップ)を発見(PUには磁石が入っているのよん).早速近づけると・・・見事に引き寄せられた!スチール製だぁ!合格ぅぅぅ〜!完璧!
目的のモノがドンピシャで見つかった.メーカー不詳だが,チェックポイントを全て満たしてるし,しかも安いときている.掘り出し物だ.迷うことなくゲットした.う〜ん,いい買い物が出来た.来た甲斐があったな〜.
他にもいろいろ物色したが,これといったものはなかった.時間もないので,残る大物”ピックアップ”を探しに旅立つことに. 次に向かったのは,豊橋にある大きな楽器屋だ.道中,楽器屋を見つけては寄り道しながら到着. う〜ん.PUはおろか,中古品自体がなかった.探してみると,なかなか無いもんやな〜.仕方がない,PUはあきらめよう. (表向きはあきらめたのだが,YN君のPUがあるぞ・・・.むふふ) 帰りの道中,とある楽器屋で配線などのパーツを購入し,自宅に向かう.車中で「YN君のPU」の値段交渉が行われていたのは言うまでもない.MORYお得意の「大阪仕込みの値切り攻撃」や「論理的な誘導尋問&屁理屈攻撃」でYN君を弱らせ,¥8000で商談成立した.が〜はっは.これで部品が揃ったぞ〜(写真16) 雨の中,家路に急ぐ.あとは組み立てだけだ!楽しみ〜! |
![]() ↑写真16 今回のツアーでゲットした部品.上段左から2番目 がトレモロ,一番右下がYN君からゲットしたPU. |