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ホゾについて 81 2003.10.20記

留め接ぎの話がどんどん横道にそれて、何の話をしていたか忘れてしまい
そうですが、またまたケヒキについて少し書いてしまいますが、ケヒキでは
案外見落と したり忘れがちになるのではないかと思いますが、鉋台の下端
は磨耗湿度などで 色々な動き狂いがでてきますから、うまく削れなくなって
しまいますので、必要に迫られて下端調整をすることになってしまいますが、
同じように矢印のケヒキの定規面も、磨耗湿度などで色々な動き狂いが
でてきますが、線を罫書くだけですから鉋ほど目だって作業がし難くなるなる
ことがありませんので、知らず知らずのうちに安定が悪くなったり精度が落
ちたりしてしまっても、ついつい見落としがちになってしまいます。

罫書きは次の作業に基準になりますから、精度の良い加工仕上がりにつな
がりますので、定期的に定規面を下端定規やスケールで縦横の平面を確
認して狂いが有れば修正して、絶えず正確で安定した作業ができるように
維持します。
ケヒキは鉋のように下端をすき取る必要がありませんし、鉋ほどシビアでは
ありませんので、ただただ平面が出ていれば良いだけですから台直し鉋で
簡単に修正できますし、台直し鉋がなければガラス板や平面の出た台の上
にサンドペーパーを置いて、ゴシゴシやれば直ぐ修正完了です。

上の図は鎌ケヒキ、下の図は筋ケヒキを表しています。ケヒキ自体はこれ
以外にも色々な仕様用途のものが有りますが、家具作りでは極々一般的に
はこのどちらかを使うことが殆どだと思いますが、竿(刃)の締め付けは構造
上鎌ケヒキでは定規坂の上側、筋ケヒキでは定規坂の尻側になると思いま
すが、筋ケヒキでは楔で止めるものもありますが、何を使うにしても使い慣れ
てしまったものが一番でしょう。

ただ物理的にいえることは、この写真のような場合ですが、図で書けば左図
が鎌ケヒキ右図が筋ケヒキになりますので、一目瞭然、鎌ケヒキでは長く罫
書くことができますが、筋ケヒキでは竿が邪魔になってしまいますので罫書き
範囲が短くなってしまいます。
また竿(刃)の出し入れ方向においても、点線のように邪魔なものが有った
場合には鎌ケヒキでは間際まで罫書くことができますが、筋ケヒキでは竿が
有 りますのでその分控えたところからしか罫書くことができません。


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