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ホゾについて 79 2003.10.16記

基本的には凹凸のホゾ接合ではホゾ穴(凹)を加工して、それに合わせて
ホゾ(凸)を加工しますが、契りや埋め木などではどちらかと言えば逆の手
順になります。そこで契りを埋め込む加工を考えて見ますと、まず楔を作っ
てしまいます。図のように埋め込む部分に契りを置いて契りに合わせて罫
書き、埋める穴を掘っていくことになりますが、 当然図のように白書きで楔
に沿わせて罫書いてしまいますと、嵌め合いが 緩くなってしまいます。
即ちホゾを利かせた状態に仕上がりませんので、白書きを矢印のように
少し外へ振って罫書く必要があります。ただそのままでは白書きの刃先自
体は契りに沿ったままですから、点線部分の拡大図のように、契りの下
部全周を僅かに面取りしてやれば、白書きの刃先が契りの下へ入り込みま
すので、この罫書き線で掘り込めば嵌め合いにホゾを利かせた状態に仕
上がります。嵌め合い具合は扱う素材や諸条件で変わりますので、白書き
の傾け具合で調整します。
楔を組み立てる(嵌め込む)時には嵌め込みやすいように、下部全周に必
ず入り面を取りますが、入り面を取ってから罫書き、加工の手順になります。

ただこれで契りを埋め込みますと前項までで書いてきましたように、白書き
の基本である切り筋の角度の付いた側が後の加工で落ちしてしまうような
使い方とは逆の使い方になりますもで、このまま組み立てますと矢印部
分の切り筋の角度の付いた側が残ってしまいますから、点線部分で組み
立て前に埋め込む部材の板厚を落としてしまうか、契りを打ち込んでから
点線部分まで落とします。板厚を落とすことは仮に0.5ミリ程度の僅かなこ
とでも全体を落とすわけですから、結構大変な作業になりますが、小物であ
ればまだしも、テーブルなどの大きいものになりますと大事ですから、この方
法では一考を要するところです。

そこでシャープペンシルで罫書いてきますが、シャープペンシルは鉛筆でも
何でも構いませんが、家具作りでは出来る限り細い線で罫書きたいことが殆
どですから、シャープであればなるべく細いものを使いたいところです。現時
点では0.3ミリが一番細いと思いますのでこれで良いかと思いますが、ベニマ
ツは非常に柔らかいのでなるべく濃くて色付が良く柔らかい芯の物を使いま
せんと、芯圧で押し筋が付いてしまう可能性が有りますので、私の場合は0.5
ミリの2Bを使っています。またインク物も随分細いものが有りますが、修正が
利きませんので扱いにくい気もしますが、こうしたことも目的は正確な罫書き
ですから、自分にピッタリくるものを選んでください。


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