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ホゾについて 58 2003.4.30記

丸ホゾ 接ぎについては先に少し書いていますが、多少重複するところも出
てく ると思いますがもう少し見ていきます。丸ホゾ接ぎは箱物関係では利用
するこ とが少ないと思いますが、イスなどではウインザーチェアやシェーカー
チェ アに代表されるように、非常に良く使われるものです。
通しホゾでホゾを利かせるために楔を打つ場合には、木に性質から基本
的に角ホゾでも丸ホゾでも、上図のように打つことになりますが、丸ホゾは
形の性質上必ず矢印方向に開く力が働きますので、ホゾが木口、木端
近く来る場合は注意する必要があります。特にイスの脚を座面に挿す場合
などではホゾが太くなりなすし、こうした条件になり易いことから軟材では特
に良く考えて設計する必要があります。

ダボなども一つの雇いざねの丸ホゾ接ぎと捉えて良いと思いますが、何と言
っても一番の利点はホゾ穴をドリルで簡単に開けることができることでしょう。
ドリルスタンドなどでテーブル一面あれば垂直な穴が空きますが、センター出
しで位置精度が決まりますから、特に柾目面の穴あけでは年輪が有りますの
で、位置精度が悪くなる可能性が高くなります。
角ホゾでは角ノミに垂直と直角が必要になりますので、テーブルとフェンスの
二面が必要になります。これは逆にホゾ穴の位置精度が出やすいことになり
ます。また丸ホゾは差し込む部材を自由に回すことができることでしょう。当
然これは逆に位置が決まらないことでも有ります。

ホゾ加工では木工旋盤も利用できますが、無い場合には下図のように機械
などで一度角 ホゾ加工してから、手加工で丸めていくことになりますので逆
に手間がかか りますし、加工精度も落ちることになります。ただこれもまた逆
に考えれば、 木工旋盤ではホゾが真円に成りますので、ホゾ穴全周にホゾ
を利かせる加 工になりますが、手加工では二段目の図のようにホゾを気持
ち楕円に加工 して、矢印方向に対して働く力を多少なりとも抑えることよう
な細工も可能 になります。機械加工は基本的に垂直、直線ですから基準か
ら考えれば便 利では有りますが、画一的になります。
角のホゾ穴でもホゾを利かせる意味から行けば、ホゾを利かせる側に微妙
な細工をするようなことが昔から言われているようですが、こうした指物的な
きめの細やかさは機械加工では出来ない手加工ならではの良さでしょう。


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