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Challenge 2
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ホゾについて 49 2003.4.21記
次ぎに同じように部材同士をクロスさせる他の方法について見ていきま
すが、上図のように部材の上下をそれぞれ単純に切り欠いて嵌め合わせ
る接合で、これを相欠き接ぎと言いますが、この手の接合では一番代表
的な接合になるのではないかと思います。
これは建具の格子などで非常に良く使われる組み方だと思いますが、前
項で書きました欠き込み相欠き接ぎの両外の切り欠きを省いたものです
から、加工自体は単純ですが収まりよく仕上げることは、見た目以上に難
しいところがあります。
先の欠き込み相欠き接ぎでは接合部分を綺麗に仕上げるために影響を与
える部分は赤矢印部分に当たるの片側の板厚のみでしたが、こちらは両
部材とも単純な切り欠きで、接合部分に隠れるところがありませんので、
赤矢印寸法、茶矢印寸法ともに見えがかりに影響してきます。
また二段目の右図のように面一に仕上げる場合には、緑矢印の切り欠き
は均等割することになりますが、浅すぎても深すぎても目違いが出てしまい
ますので、この部分も結構精度が要りますので厄介です。ただ浅すぎでは
何ともなりませんが、僅かに深めに加工しておいて平らな作業台の上で面
一まで嵌め合わせることも出来ますが、これは仕様によりケースバイケー
スになります。どちらにしても相欠き接ぎに限らずこの手の嵌め合いでは結
構難しい部分です。
この赤矢印寸法、茶矢印寸法ともに見えがかりに影響してくることは、大き
い部材を組む場合には嵌め合い調整がなかなか微妙ですし、強固に組む
ために嵌め合いを少しきつめにしますと、どちらかの部材が捩れやすく難し
いところですが、先の欠き込み相欠き接ぎは両外の切りカキがあるために、
片側は初めから位置が決まりますので、組み立ては随分容易になります。
どちらかと言えば大きい部材で、少し嵌め合いをきつめにしたいような場合
では、切り欠きに一手間かかりますが、部材が細くなることを考えれば組み
立てやすさのことも有りますので、欠き込み相欠き接ぎが向いているでしょう。
逆に加工の手間や部材が細くならないですし、細い部材では木の伸縮も少
ないですから嵌め合いもさほどきつくする必要もないので、相欠き接ぎが向
いているでしょう。また細い部材は僅かの嵌め合い抵抗で、青矢印のように
部材が反ってしまいますので、思いのほか緩めの嵌め合いで十分ですから
なおさらです。
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